非配偶者間人工授精(AID)
非配偶者間人工授精(AID)とは
AIDとは無精子症の場合など絶対的男性不妊の場合に適用される方法です。ご主人以外の男性ドナーの精液を使用し人工授精にて妊娠を試みます。人工授精の流れは、人工授精(AIH)参照。
男性不妊に対するあらゆる治療を行ったにもかかわらず、 妊娠が成立せず、それでもどうしても子どもがほしいというときに選択されます。
この方法での妊娠希望者については、ご夫婦の意志を十分に確認したうえで、AID実施適応条件に適応しているかどうかを厳格に判定します。さらに、この方法は他人の精液を用いるという特殊な方法ですから、倫理や宗教、法的問題を合んでいます。
当院ではAID実施前に、臨床心理士のカウンセリングをご夫婦で2回うけていただき、ご夫婦の気持ち、AIDの問題点についてクリアーにした上で治療をすすめていきます。
非配偶者間人工授精(AID)適用の条件
・精巣精子回収術(TESE)を行ったが精子が認められなかった方
・微量の精子は認められるものの妊娠のレベルにはなく主治医からAIDを提案された方。
*性同一性障害(FTM)の方への非配偶者間人工授精(AID)は実施することができません。
初診から非配偶者間人工授精(AID)実施までの流れと必要な手続き
| 初診 予約 |
0120-66-4211 までご予約電話をください。 AID の治療を希望する旨をお伝えください。 | |
|---|---|---|
| 初診 当日 |
初診ガイダンス | ご予約方法の説明、 AID の治療の流れ、妊娠率、必要な検査、他のご不明点などに対応させていただきます。 |
| 医師の問診 | AID実施条件に適応しているかどうかを確認後、実施に必要な提出書類について説明します。 【AID実施日までに提出が必要な書類は4点です】 1. 無精子症の診断書あるいは紹介状 2. ご夫婦の戸籍謄本 3. 同意書(初診時医師よりお渡しします) 4. ご夫婦の写真付身分証明書のカラーコピー |
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| ご主人様の採血 | AID を実施する当院で血液型を検査する必要があります。 * 初診時に必ずご主人様が同行いただく必要はありません。再診以降のご来院でも結構ですが、必ず 1 度ご来院いただき、採血と、医師よりご主人様の意思の確認をさせていただきます。 |
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| 再診 以降 |
臨床心理士のカウンセリング | AID を実施していただくにあたり、当院専属の臨床心理カウンセラー ( 認定生殖心理カウンセラー ) のカウンセリングをご夫婦で 2 回うけていただきます。事前にご予約をいただければ初診日にカウンセリングを行うこともできます。 |
| 書類提出 | 必要書類 4 点をご提出いただきます。 |
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| AID 開始 | AID を開始していきます。また、同時に奥様の必要な初期検査も行い、少しでも妊娠の可能性を高められるよう治療をすすめます | |
ご遠方の方へ
AIDの実施可能施設が非常に限られているため、当院には日本中または、海外からもご来院いただいております。ご遠方の患者様には、なるべく通院回数を少なくしていただけるよう配慮しております。
【当院への通院はAID実施日だけで大丈夫です】
1.ご遠方の方には、初診時「紹介状」をお渡しします。ここには、「当院でAIDを実施しますので、排卵日特定をお願いします。また、必要に応じて排卵誘発や黄体管理をお願いします」と書かかれています。
2.みなさまには地元で通えるクリニックをお探しいただき、紹介状を医師にお渡しください。
3.後は、上記2の医師(この医師があなたの主治医です)が排卵日の特定をし、同時にAID実施日を決めますので、当院へAIDの予約電話をください。
AIDの予約は前日(前日が日曜日の場合は土曜日)の14時までです。Tel:0120-66-4211
4.人工授精前の排卵管理や、人工授精後の黄体管理、また検査や必要な治療なども全て地元の医師(主治医)とご相談ください。
AIDのための精子提供者(ドナー)の条件
(1)健康青年男子であること。
• 未婚であること。
• 年齢は20歳から27歳まで。
• 適正身長、適正体重。
• たばこを吸わない。麻薬等の経験がない。
• 輸血を伴う手術を受けたことがない。
• 感染症、性病の既往症がない。
(2)医学部在学中であること。
• 遺伝に伴う疾患に関し充分な知識があること。
• 倫理的、社会的配慮に関してしっかりとした意見がある。
(3)精神的に安定していること。
• 規定の心理テストを受けること。
• 院長の面接を受けること。
(4)次の検査がすべて陰性であること。
• B型肝炎
• C型肝炎
• エイズ検査(HIV1/2)
• 梅毒
• HTLV1
• ATL
• クラミジア検査
*上記の検査は6カ月毎に継続的に実施しています。
(5)将来のお子様の安全のために癌遺伝子に異常のないこと。
• α1一アンチトリプシン
補足説明
上記条件を満たすため、HIVを含む感染症の検査、および心理テストを実施しています。 健康男子青年で精子数はWHOの基準を満たしております。 但し、近親者の疾患、遺伝的疾患は口頭での質問であり、調査はしておりません。 提供された精子については6ヶ月間凍結保存し、再度精子提供者のHIVの抗体検査を実施し、陰性であった場合に限り当該精子をAIDに用います。
選択方法
現在の段階では、御主人の血液型(ABO、Rh型)のみマッチングして提供者を選択しております。 その他条件(身長、肌の色など)は、考慮できません。
精子提供者を知ることはできません
夫婦の話し合いこそが、いちばん大切
性同一性障害(FTM)の方へ
当院で行われるすべての治療は、日本産科婦人科学会の会告あるいは見解を遵守し、さらに厚労省見解、医師法を始めとする関係法律を厳守し慎重な検討を加え行っております。精子の
非配偶者間人工授精に関しましては、日本産科婦人科学会の会告のもと、特例法、戸籍法、医師法などに検討を加え適応を厳守しております。
「性同一性障害の方で戸籍変更後に生殖補助医療を受けられるか」ということですが、特例法では、「現に子がいないこと」という要件があり、その後に子供を持つことを禁止しているわけではありません。ただ、『生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること』という要件もあります(いずれも特例法第三条)。結局、特例法は第三者の精子を使って生まれた子の親子関係に関する生殖補助医療の状況を想定していないため結論は出ていません。
FTMの方が戸籍変更し男性になり、女性と結婚し、第三者の精子を利用して子供を持つことに国内の関係機関は提言という形では表明しておりますが、それ以上の議論はされておらず、肝心の法整備がありません。
法律婚であれば、戸籍法上の制限はないという見解もありますが、特例法で子の法的な位置づけがないのが現状です。このような関係する法整備が不備な現状では、FTM,MTFの方々に安心して生殖補助医療を提供することが困難な現状をご理解ください。
なお、日本産科婦人科学会の会告、日本生殖医療学会の提言には、法的根拠がありません。
参考・・
民法では、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(772条)と規定。法的に結婚した夫婦の間に生まれた子を摘出子と定義しているので、AIDは夫の同意があれば摘出子として扱われています。
日本産科婦人科学会・倫理委員会は、特例法により女性から男性に性別変更した人と妻がAIDを受けることについて「ガイドラインに抵触しない」という見解を2007年に示しました。しかし、一方、民法は夫婦間の自然生殖を前提としており、生来の男性が夫である場合の人工授精と違い、FTMでは夫の子でないというのが客観的に明らかなので民法772条の摘出子とみる『推定』は働かず、摘出子と認定されない、と学習院大学の野村教授(民法学)は指摘しています。










