体外受精の成績は、卵巣刺激から採卵・受精・培養・胚移植までの各プロセスの積み重ねによって成り立ちます。当院は、全プロセスのデータを公開し、透明性とデータに基づく医療の提供に努めています。
妊娠実績解説動画
本ページでご説明している情報は、この動画でも同様に解説付きでご覧いただけます。
2023-24年件数、年齢

体外受精(顕微授精)
3回以内の累積妊娠率
3回以内の治療で多くの方が妊娠しています。36歳まで91%、39歳まで83%、42歳まで73%が妊娠しています。本データは、同じ方を対象に治療経過を追って算出した累積妊娠率であり、回数ごとの妊娠数を単純に足し合わせたものではありません。(対象:1074人、PGT-A/SRは除く)



1 卵巣刺激
卵巣への刺激量の分布(3053 周期)
採卵までに使用した注射の量(刺激の強さ)を見ると、中刺激~高刺激が中心でした。


採卵の約2 日前に行うLH サージ誘起は、効果が高いデュアルトリガーが中心でした。一方、中等度以上のOHSS リスクがある場合は、状況に応じて方法を調整しています。
2 LHサージ誘起(3053 周期)


3 採卵
1 回の採卵で得られた平均卵子数
AMH1.0以上(1802 周期)
【卵巣刺激の方法】①PPOS 法、②アンタゴニスト法、③ショート法、④排卵抑制を行わない刺激法
個人差や周期により、「胞状卵胞数」や「卵巣の反応」は異なります。当院では、卵巣刺激方法➀~➃の中から、その時の状態に合わせて最適な方法を選択します。刺激量を増やしても発育卵胞数が単純に増えるわけではなく、卵巣の状態に応じた管理が重要です。また、年齢とともに胞状卵胞数と卵巣の反応性が低下するため、採卵で得られる卵子数は少なくなります。

※グレーの数値は対象者が少なく信頼性の低いデータ
※AMH1.0 未満の場合(1251 周期)の表はこちら
4 受精
卵子と精子が受精する確率(2153 周期)
受精方法は、➀ IVF、➁ Piezo-ICSI、➂スプリットICSI、➃レスキューICSI の4 種類。ICSI の方が受精率は高い場合でも、胚盤胞まで発育する確率はIVF が高い傾向があるため、最終的に良好胚盤胞が得られやすい方法について採卵後に培養士と相談します。

5 培養
受精卵が胚盤胞まで育つ確率(受精卵12663 個)
採卵周期の目標は、グレードの良い胚盤胞を得ることです。➀は胚盤胞まで育つ確率、➁はその中で4BC 以上の胚になる確率、➂は4BB 以上の良好胚になる確率を示しています。胚盤胞のグレードについては当院のパンフレット『体外受精を始める前に読む本』の【5 ページ目】をご参照ください。

6 胚移植
凍結胚盤胞× 1 個移植あたりの妊娠率・流死産率・生産率(2396 周期)
胚のグレードは見た目(形態)による評価で、グレードが高いほど生産率も高い傾向がみられます。一方、年齢とともに胚の染色体異常の割合が増えるため、同じグレードでも妊娠や生産に至る確率は年齢とともに低下します。
4 ~ 6AA・BA・AB 胚(1829 周期)


※年齢は胚移植時ではなく「採卵時」で表示
※4~ 6BB 胚(395 周期)の表はこちら
※4~ 6AC・BC(172 周期)の表はこちら
凍結胚盤胞× 1 個移植あたりの「多胎率」(2396 周期)

凍結胚盤胞× 2 個移植の妊娠率・生産率・複産率(1063 周期)
・2 個胚移植は多胎のリスクが高まるため、当院では原則として推奨していません。学会が定める2 個移植の条件を満たし、ご本人が希望される場合に、治療歴などを踏まえて実施を検討します。
・1 個移植には1 ~ 2 回目で妊娠に至る予後良好な患者が多く含まれます。一方、2 個移植の患者は反復不成功例が中心であるため、1 個移植の妊娠率と単純に比較することはできません。






※年齢は胚移植時ではなく「採卵時」で表示
多胎妊娠の医学的リスクはこちら
胚移植の方法と移植する胚の状態の分布(対象:2969 周期)
移植胚の分割状態

移植胚の状態

移植胚の個数

「初期胚移植*」「新鮮胚移植*」「2 段階移植*」は、いずれも1%ずつと少なく、データの信頼性が低いことから、今回算出していません。
オプショナル治療の成績

上記は、オプショナル治療を行った方について、治療を行わなかった周期との妊娠率・流産率の違いを示したものです。タイムラプス培養、SEET 法、アシステッドハッチングは実施割合が高く、比較対象となるコントロール群が少ないため算出できませんでした。
タイミング法・人工授精


* AID は20 ~ 30 周期以上で妊娠に至るケースも含むため、妊娠までの平均周期数が多くなります。対象者を20 周期以内に限定すると、平均は3.1 周期です。