Report 妊娠実績2023~2024年

体外受精の成績は、卵巣刺激から採卵・受精・培養・胚移植までの各プロセスの積み重ねによって成り立ちます。当院は、全プロセスのデータを公開し、透明性とデータに基づく医療の提供に努めています。

体外受精の妊娠実績PDFはこちら

体外受精件数・年齢

  2023年 2024年
採卵件数 1,586件 1,467件
胚移植件数 1,508件 1,461件
総治療件数 3,094件 2,928件
  全体 妊娠例
平均年齢 37.1歳 36.1歳
最高年齢 50歳 48歳
(胚凍結時46歳)

体外受精の成績

3回以内の累積妊娠率 (解説動画はこちら)

3回以内の治療で多くの方が妊娠しています。36歳まで91%、39歳まで83%、42歳まで73%が妊娠しています。本データは、同じ方を対象に治療経過を追って算出した累積妊娠率であり、回数ごとの妊娠数を単純に足し合わせたものではありません。(対象:1074人、PGT-A/SRは除く)

30歳まで、31‒33歳
40‒42歳、43 歳以上

3回以内の累積妊娠率(1回目/2回目/3回目):30歳まで(45.5%/80.8%/91.0%)、31〜33歳(54.1%/80.1%/92.6%)、34〜36歳(46.9%/78.8%/91.2%)、37〜39歳(40.1%/64.4%/83.4%)、40〜42歳(33.8%/59.1%/72.7%)、43歳以上(30.8%/46.2%/53.8%)

STEP1.卵巣刺激
卵巣への刺激量の分布(3053 周期)

採卵までに使用した注射の量(刺激の強さ)を見ると、中刺激~高刺激が中心でした。

年齢 高刺激 中刺激 低刺激 完全
自然
~30 45.1% 52.7% 2.2%
31〜33 54.0% 42.0% 3.8% 0.3%
34〜36 69.9% 27.3% 2.8%
37〜39 75.9% 22.2% 1.7% 0.3%
40〜42 70.2% 18.3% 10.6% 0.9%
43~ 67.2% 16.8% 14.9% 1.1%
  • 高刺激:注射総量が1575単位以上(中央値2005単位)
  • 中刺激:注射総量が675〜1530単位(中央値1200単位)
  • 低刺激:飲み薬、または注射の総量が650単位以下
  • 完全自然:排卵誘発剤を使用しない
  • ※レコベルは6mcgを100.2単位にて換算

STEP2. LHサージ誘起
LHサージ方法の分布(3053 周期)

採卵の約2 日前に行うLH サージ誘起は、効果 が高いデュアルトリガーが中心でした。一方、 中等度以上のOHSS リスクがある場合は、状 況に応じて方法を調整しています。

年齢 デュアルトリガー オビドレルのみ 点鼻薬のみ
~30 90.6% 1.6% 7.8%
31〜33 91.5% 4.8% 3.7%
34〜36 94.1% 2.8% 3.1%
37〜39 93.7% 3.9% 2.3%
40〜42 93.2% 6.1% 0.7%
43~ 95.2% 3.7% 0.5%
  • デュアルトリガー:オビドレルと点鼻薬を使用(最も強い)
  • オビドレルのみ(通常)
  • 点鼻薬のみ(最も弱い)

STEP3.採卵
採卵1回の平均卵子数(AMH1以上1802周期)

【卵巣刺激の方法】①PPOS 法、②アンタゴニスト法、③ショート法、④排卵抑制を行わない刺激法

個人差や周期により、「胞状卵胞数」や「卵巣の反応」は異なります。当院では、卵巣刺激方法➀~➃の中から、その時の状態に合わせて最適な方法を選択します。刺激量を増やしても発育卵胞数が単純に増えるわけではなく、卵巣の状態に応じた管理が重要です。また、年齢とともに胞状卵胞数と卵巣の反応性が低下するため、採卵で得られる卵子数は少なくなります。

年齢 高刺激
高刺激
②③
中刺激
①②③④
低刺激
①②③④
~30 15.4個 16.8個 15.7個 18.0*
31〜33 15.2個 11.3個 15.6個 14.4*
34〜36 15.4個 9.8個 16.5個 14.6*
37〜39 13.2個 10.2個 13.5個 7.6*
40〜42 11.7個 6.9個 10.6個 3.5*
43~ 10.2個 7.1個 6.8* 4.0*
  • *が付く数値は対象者が少なく信頼性の低いデータ
  • AMH1.0 未満の場合(1251 周期)の表はこちら

STEP4.受精
卵子と精子の受精率(2153周期)

受精方法は、➀ IVF、➁ Piezo-ICSI、➂スプリットICSI、➃レスキューICSI の4 種類。ICSI の方が受精率は高い場合でも、胚盤胞まで発育する確率はIVF が高い傾向があるため、最終的に良好胚盤胞が得られやすい方法について採卵後に培養士と相談します。

年齢 ①IVF ②Piezo-ICSI
~30 72.2% 83.6%
31〜33 75.8% 82.3%
34〜36 76.5% 81.6%
37〜39 75.7% 81.5%
40〜42 73.6% 81.5%
43~ 75.2% 75.6%

STEP5.培養
胚盤胞まで育つ確立(受精卵12663 個)

採卵周期の目標は、グレードの良い胚盤胞を得ることです。➀は胚盤胞まで育つ確率、➁はその中で4BC 以上の胚になる確率、➂は4BB 以上の良好胚になる確率を示しています。胚盤胞のグレードについては当院のパンフレット『体外受精を始める前に読む本』の【5 ページ目】をご参照ください。

年齢 ①胚盤胞に育つ確率 ②4BC以上の胚盤胞率 ③4BB以上の良好胚盤胞率
~30 73.5% 62.2% 54.5%
31〜33 74.9% 63.8% 56.5%
34〜36 72.8% 60.3% 52.9%
37〜39 70.7% 55.3% 46.8%
40〜42 68.0% 47.5% 36.6%
43~ 56.0% 33.3% 23.5%

STEP6.胚移植
凍結胚盤胞×1個あたりの妊娠率・流死産率・生産率(2396 周期)

胚のグレードは見た目(形態)による評価で、グレードが高いほど生産率も高い傾向がみられます。一方、年齢とともに胚の染色体異常の割合が増えるため、同じグレードでも妊娠や生産に至る確率は年齢とともに低下します。

4 ~ 6AA・BA・AB 胚(1829 周期)

採卵年齢 妊娠率 流死産率 生産率
~30 52.9% 19.7% 42.5%
31〜33 56.5% 15.2% 47.3%
34〜36 53.8% 21.5% 42.2%
37〜39 44.2% 30.2% 30.2%
40〜42 29.8% 38.1% 18.4%
43~ 15.5% 33.3% 10.3%
  • 妊娠率:妊娠(胎のう)が確認できた割合
  • 流死産率:流産と22週以降の死産を合わせた割合
  • 生産率:赤ちゃんが無事に生まれた割合
  • 4~ 6BB 胚(395 周期)の表はこちら
  • 4~ 6AC・BC(172 周期)の表はこちら

凍結胚盤胞1 個移植あたりの多胎率(2396 周期)

~30歳 31〜33歳 34〜36歳 37〜39歳 40〜42歳 43歳~
0.8% 0.9% 0.6% 1.0% 1.0% 0.0%

凍結胚盤胞×2 個移植の妊娠率・生産率・複産率(1063 周期)

・2 個胚移植は多胎のリスクが高まるため、当院では原則として推奨していません。学会が定める2 個移植の条件を満たし、ご本人が希望される場合に、治療歴などを踏まえて実施を検討します。

・1 個移植には1 ~ 2 回目で妊娠に至る予後良好な患者が多く含まれます。一方、2 個移植の患者は反復不成功例が中心であるため、1 個移植の妊娠率と単純に比較することはできません。

Excellent胚+Excellent胚(4〜6AA/BA/AB)×2個

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 69.4% 36.7% 65.3% 30.6%
35〜39 59.0% 12.8% 50.0% 6.4%
40~ 40.4% 7.0% 29.8% 0.0%
全体 56.0% 17.4% 47.8% 10.9%

Excellent胚(4〜6AA/BA/AB)+Good胚(4〜6BB)

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 57.6% 13.6% 44.1% 15.3%
35〜39 49.0% 15.3% 33.7% 9.2%
40~ 42.4% 10.6% 22.4% 4.7%
全体 48.8% 13.6% 32.2% 9.1%

Excellent胚(4〜6AA/BA/AB)+Fair胚(4〜6AC/BC)

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 56.8% 15.9% 47.7% 9.1%
35〜39 37.8% 7.8% 33.3% 5.6%
40~ 28.7% 2.0% 16.8% 1.0%
全体 37.4% 6.8% 28.9% 4.3%

この表の読み方 Excellent 胚+ Fair 胚「全体」の場合
100 人が胚移植をすると、
・37 人(妊娠率37.4%)が妊娠し、7 人(多胎率6.8%)は多胎妊娠になりました。
・出産に至るのは29 人(生産率28.9%)で、双子以上の出産が4 人(複産率4.3%)でした。

Good胚(4〜6BB)+Good胚(4〜6BB)

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 38.9% 16.7% 33.3% 16.7%
35〜39 42.5% 15.0% 35.0% 7.5%
40~ 36.4% 4.5% 4.5% 0.0%
全体 40.0% 12.5% 26.3% 7.5%

Good胚(4〜6BB)+Fair胚(4〜6AC/BC)

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 34.6% 11.5% 26.9% 3.8%
35〜39 35.7% 8.6% 21.4% 4.3%
40~ 31.7% 1.6% 9.5% 0.0%
全体 34.0% 6.3% 17.6% 2.5%

Fair胚(4〜6AC/BC)+Fair胚(4〜6AC/BC)

採卵年齢 妊娠率 多胎率 生産率 複産率
~34 50.0% 10.0% 40.0% 10.0%
35〜39 40.5% 8.1% 29.7% 5.4%
40~ 11.1% 0.0% 2.2% 0.0%
全体 27.2% 4.3% 17.4% 3.3%

※年齢は胚移植時ではなく「採卵時」で表示
多胎妊娠の医学的リスクはこちら

胚移植の方法と移植する胚の状態の分布(対象:2969 周期)

移植胚の分割状態

植胚の分割状態:胚盤胞99.0%、初期胚※1.0%
植胚の分割状態:胚盤胞99.0%、初期胚※1.0%

移植胚の状態

移植胚の状態:凍結胚98.9%、新鮮胚※1.1%
移植胚の状態:凍結胚98.9%、新鮮胚※1.1%

移植胚の個数

移植胚の個数:1個移植82.1%、2個移植16.9%、2段階移植※1.0%
移植胚の個数:1個移植82.1%、2個移植16.9%、2段階移植※1.0%

「初期胚移植*」「新鮮胚移植*」「2 段階移植*」は、いずれも1%ずつと少なく、データの信頼性が低いことから、今回算出していません。

オプショナル治療の成績

  妊娠率 流産率
ヒアルロン酸培養液 保険適用(1764周期) 25.7%増加 55.4%減少
子宮内膜スクラッチ 先進医療(605周期) 3.4%増加 10.1%減少
ERP:幹細胞上清液 自由診療(236周期) 7.1%増加 18.0%減少
着床鍼灸(154周期) 14.1%増加 3.6%減少

上記は、オプショナル治療を行った方について、治療を行わなかった周期との妊娠率・流産率の違いを示したものです。タイムラプス培養、SEET 法、アシステッドハッチングは実施割合が高く、比較対象となるコントロール群が少ないため算出できませんでした。

タイミング法・人工授精の成績

タイミング法 人工授精
1〜3回目
人工授精
4〜6回目
人工授精
7回目以上
人工授精
Total
妊娠率 37歳以下 全体数不明の為
統計処理不可
17.9% 14.3% 10.0% 17.1%
38歳以上 10.8% 8.3% 1.2% 5.9%
周期数 妊娠までの平均周期数 2.0周期 2.7周期(863件)
妊娠までの最小周期数 1周期 1周期
妊娠までの最大周期数 7周期 23周期
年齢 実施者の平均年齢 36.1歳
妊娠例の平均年齢 33.7歳 33.2歳
妊娠の最低年齢 22歳 26歳
妊娠の最高年齢 44歳 45歳
多胎率 0.2%
AID
1〜3回目
AID
4〜6回目
AID
7回目以上
AID
Total
妊娠率 37歳以下 11.5% 7.3% 8.2% 9.3%
38歳以上 5.4% 2.9% 2.3% 3.1%
周期数 妊娠までの平均周期数 4.9周期(3.1周期※)
妊娠までの最小周期数 1周期
妊娠までの最大周期数 35周期
年齢 実施者の平均年齢 33.9歳
妊娠例の平均年齢 32.3歳
妊娠の最低年齢 24歳
妊娠の最高年齢 42歳
多胎率 0.0%

* AID は20 ~ 30 周期以上で妊娠に至るケースも含むため、妊娠までの平均周期数が多くなります。対象者を20 周期以内に限定すると、平均は3.1 周期です。

妊娠実績・累積妊娠率の解説動画

累積妊娠率について解説付きでご覧いただけます。
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