当院では、AID・IVF-Dで生まれた子どもとご家族が安心して出会える場として、親子会を開催しています。
ここでは、これまでの親子会の様子や参加者アンケートの結果、参加者の声などをご紹介します。
参加者の概要
- 開催回数 2回
- 参加家族数 54家族169人
- 参加者地域 北海道、青森県、宮城県、山形県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県
- お子さんの年齢 0歳~4歳
※定員を超えた場合はキャンセル待ちとし、参加できなかったご家族には翌年の親子会を優先してご案内しています。
親子会の様子
第1回開催(2024.7.21)
子育ての中で感じる喜びや悩み、子育て情報の交換などが自然に行われていました。皆さまが、この時代に合ったさまざまな子育ての工夫をされているのが印象的でした。
また、各グループではテリングについての思いも語られ、笑顔あり、涙ありの時間となりました。同じ背景をもつ家族同士が出会うことで、安心感やつながりを感じられる場となりました。一方で、この人数には会場が手狭だったことが最大の反省点でした。
第2回開催(2025.6.21)
前年の反省を踏まえ、広い会場で土曜日の開催としました。
小さなお子さんのご家庭は初参加が中心で、年齢が上のお子さんのご家庭では多くがリピーターでした。
今回は、中学生のお子さんを育てる先輩パパとママがファシリテーターとして参加し、思春期の子どもが自分の出自をどのように受け止めているのかという実体験が共有されました。
ファシリテーターの役割
親子会では、はじめて会う家族同士でも安心して話せるよう、すべてのグループに先輩の当事者がファシリテーターとして入ります。
提供精子でお子さんを授かった先輩パパママが、自身の経験をもとに交流をサポートしてくださっており、この会を支える大切な存在です。

参加後アンケート結果
親子会終了後に実施したアンケート結果の一部をご紹介します。(有効回答数:選択式設問は過去開催分の合計102人、自由記入欄は2025年分54人)
| 質問 | 回答 | 夫 | 妻 |
|---|---|---|---|
| 話したいことを話せた? | 話せた | 92% | 97% |
| 話せなかった | 8% | 3% | |
| 交流できましたか? | できた | 97% | 97% |
| できなかった | 3% | 3% | |
| 連絡先の交換などはありましたか? | ありました | 96% | 89% |
| ありません | 4% | 11% | |
| テリングの最終目標に向けたプロセスとして、この会は役立ちましたか? | とても役立った | 72% | 73% |
| 役立った | 6% | 6% | |
| その他 | 2% | 1% |
Q:親子会の中で一番よかった内容は何ですか?
同じ境遇の家族と出会えたこと
・同じ境遇の家族とつながれた
・自分たちだけではないと感じられた
テリング(子どもへの伝え方)に関する具体的な情報
・日常会話の中でのテリングのやり方
・子どもの理解の確かめ方
先輩パパママの体験談
・思春期の子どもの様子やかかわり
・子どもが出自をどう受け止めているか
夫婦・家族同士の交流
・地域や月齢の近い家族と交流できた
・連絡先交換ができた
・パパ同士で話せた
Q:親子会は皆さんにとってどのような意味を持ちますか?
同じ境遇の家族とつながれる場所
同じ背景をもつ家族と出会い、安心して悩みや経験を共有できる場であり、「自分たちだけではない」と感じられるという声が多くありました。
テリングや子育てについて考える機会
他の家庭の経験や考え方を知ることで、テリングの方法や子どもとの向き合い方を改めて考えるきっかけになっているという声が多く寄せられました。
子どもにとっての仲間や安心感につながる場
同じ背景をもつ子ども同士が出会うことで、将来の仲間や支えになると感じているご家族も多くいました。
Q:ファシリテーターについてどのように感じましたか?
安心して話せる雰囲気を作ってくれた
初対面でも話しやすいように話題を振ったり、進行をサポートしてくれたことで、安心して交流できたという声が多くありました。
先輩当事者の体験談が参考になった
提供精子で子どもを育てている先輩としての経験や、テリングの実践、思春期の子どもの様子などを直接聞けたことが参考になったという声が多く寄せられました。
交流を支えてくれる存在
グループの会話をまとめたり、質問を引き出したりすることで、参加者同士の交流を支えてくれていたという感想が多くありました。
当院スタッフより
親子会で印象的だったのは、どのご家庭もパパがとても慣れた様子でお子さんを世話している姿と、それを安心して見守るママたちの姿でした。提供精子で家族になったご家庭は、意識的に絆を深めようと努力し、家族の時間を大切にしているのだと感じました。この治療で生まれた子どもたちを抱っこさせてもらうことは、私にとっても一つの夢でした。ありがとうございました。
臨床心理士 戸田
毎回とてもにぎやかな会です。普段からテリングをして、隠し事のないご家族が、その先を見据えて情報交換をしたり、雑談をしたりしている姿は、家族であることの幸せが伝わってきます。こうしたご家族が増えることで、自然に社会の理解も変わっていくだろうと思います。
副院長 鴨下
治療でお会いしていた患者様に、久しぶりに親子会でお会いすることができました。皆さんがお子さんと一緒に本当に幸せそうに過ごされている姿を拝見し、とても嬉しく思いました。不妊治療は、妊娠されて治療が終わると卒業となりますが、このように生まれたお子さんやご家族の様子に触れることができ、私たちにとっても大きな喜びとなりました。
看護師長 外塚
当院では今後も、AID・IVF-Dで生まれた子どもとご家族が安心してつながれる場を大切にしていきたいと考えています。