妊娠判定で「陽性」と言われたとき、うれしさと同時に「本当に大丈夫だろうか」「このまま妊娠は続くのだろうか」といった不安を感じる方は少なくありません。
妊娠初期は体の変化も大きく、さまざまな症状が現れます。ここでは、よくある症状や注意すべきポイントについて解説します。

妊娠初期の下腹部痛・ひきつれ感は大丈夫?
妊娠初期には、下腹部の張りや痛み、ひきつれるような感覚を感じることがあります。
もともと子宮は鶏の卵ほどの大きさですが、妊娠に伴い急激に大きくなります。
その過程で、
- 子宮が周囲の組織を圧迫する
- 子宮を支える靭帯が引き伸ばされる
といった変化が起こり、痛みや違和感として感じられます。
これらは多くの場合、正常な妊娠経過によるものです。強い痛みがなければ、無理をせず安静に過ごしましょう。
妊娠後の通院・分娩施設への転院について
妊娠が確認された後は、分娩を行う医療機関への転院が必要になります。
なお、
- 体外受精での妊娠かどうか
- 不妊治療を受けていたかどうか
は、必ずしも伝える必要はありません。
紹介状を希望されない場合は、お近くの医療機関で妊娠証明書を取得し、分娩施設へ提出することも可能です。
妊娠初期の出血はよくある?受診の目安
妊娠中の出血は不安になりやすい症状ですが、妊娠6週頃までに約7割の方が出血を経験するとされています。
特に、
- トイレでティッシュに付く程度の出血
- 少量の茶色い出血
であれば、過度に心配する必要はありません。
ただし、以下の場合は医療機関へご連絡ください。
- 月経のような量の出血がある
- 鮮血が続く
- 強い腹痛を伴う
妊娠初期の流産について知っておいてほしいこと
つらいお話ではありますが、流産は決して珍しいことではありません。
その多くは、胎児の染色体異常によるものであり、
- 不妊治療をしたから起こる
- 常生活(運動・食事)が原因
というものではありません。
年齢と流産率の目安
| 年齢 | 流産の確率 |
|---|---|
| 35歳前後 | 13〜16% |
| 40歳以上 | 20〜30% |
| 44歳以上 | 40%以上 |
妊娠初期の流産は、医学的には避けられないケースが多いとされています。
流産は防げる?治療はある?
残念ながら、流産を止める治療や薬は現在ありません。
胎嚢の成長が見られない場合や出血が続く場合でも、基本的には経過を見守ることになります。
「何かをしたから流産した」ということではありませんので、過度にご自身を責める必要はありません。
カウンセリングのご案内流産後の検査について
流産された場合、原因を詳しく調べるために流産組織の染色体検査を行うことが可能です。
- 原因が染色体異常かどうかを確認できる
- 今後の治療方針の参考になる
流死産絨毛・胎児組織染色体分析検査(Gバンド法)、(NGS法)の費用
まとめ|不安なときはひとりで抱え込まないでください
妊娠初期は、体の変化とともに不安も大きくなりやすい時期です。
- 軽い腹痛や少量の出血はよくあること
- 流産の多くは防げない自然な現象
であることを知っておくだけでも、気持ちが少し楽になるかもしれません。
不安な症状がある場合は、我慢せず医療機関へご相談ください。
監修医師
宮﨑 薫みやざき かおる
はらメディカルクリニック理事長・院長
- 医学博士
- 日本参加婦人科学会認定 産婦人科専門医・指導医
- 日本生殖医学会認定 生殖医療専門医・指導医
- 日本内分泌学会認定 内分泌代謝科専門医
2004年慶應義塾大学医学部卒業、2013年慶應義塾大学大学院医学研究科修了。2013年4月東京歯科大学市川総合病院産婦人科助教 2014年4月慶應義塾大学産婦人科助教。2017年10月 USMLE(米国医師国家試験)Step1–3 合格。2017年10月ノースウェスタン大学産婦人科(米国シカゴ)研究助教授。2018年10月荻窪病院産婦人科勤務。2020年5月はらメディカルクリニック院長就任。2020年7月医療法人社団暁慶会理事長就任。