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D配信#42: e-KYC導入遅延と対応、AID同意書の旧版使用による中止、AIDドナーの心理検査除外、3ヶ月ルールの更新、IVF-Dドナー精子料金の値上げ、IVF-Dを実施するリスク確認

▼目次
【1】e-KYC導入遅延と対応
【2】AID同意書の旧版使用による中止について
【3】AIDドナーの心理検査除外
【4】IVF-Dにおける「3ヶ月ルール」の更新
【5】IVF-Dドナー精子料金の値上げ
【6】法整備前にIVF-Dを実施するリスク確認

▼対象者
●AIDに関係する夫婦は、目次1.2.3をお読みください。
●IVF-Dに関係する夫婦は、目次1と4.5.6をお読みください。

【1】 e-KYC導入の遅延と対応について

夫死後の胚移植の再発防止策として、e-KYC(オンライン本人確認)の導入をお知らせしましたが、システム構築の遅れのため、開始は来年2月から4月にずれ込む見込みです。e-KYC導入までの間は現在の方法を継続します。e-KYC導入後、AID及びIVF-Dの胚移植当日には、夫の本人確認・生存確認をe-KYCで行います。e-KYCの利用にはスマートフォンと運転免許証またはマイナンバーカードが必要です。

【2】AID同意書の旧版使用による中止について

他院で排卵日を特定し、AIDのみ当院で実施する場合、必ず当院のホームページから最新版の同意書を印刷してご持参ください。最近、同意書が旧版のためAIDが中止となったケースが複数発生しています。どうぞ、ご注意ください。

▼同意書はこちらから印刷できます

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(「治療に必要な書類について」をご覧ください)

【3】AIDドナーの心理検査除外

当院では、ドナーが匿名か非匿名かを自由に選択でき、匿名ドナー希望者は約3割と少ない上に、ガイドライン違反の影響で、ドナー全体の応募数が大幅に減少しました。このため、半年後のAIDの維持が難しくなっています。この問題に対応するため、AIDの匿名ドナーに対する心理検査を除外することにしました。日本産科婦人科学会の規定にはないこの検査は、当院が独自に追加していたものです。AIDの場合、ドナーと子どもの接触がないことを踏まえ、心理検査の重要度は低いと判断しました。また、AIDドナーも培養士と医師による面談を通じて心理状態を確認しています。現在、ドナー採用率は応募者の19%以下ですが、心理検査の除外によりAIDの匿名ドナー採用率の向上が見込まれ、必要な精子数の確保に繋がると考えています。今後のドナー採用時の検査から除外するため、早くて来年6月以降のAIDに使用する精子から反映されます。

【4】IVF-Dにおける「3ヶ月ルール」の更新

IVF-Dには「3ヶ月ルール」が設けられています。これまで、病気やBMIが30以上などの理由で3ヶ月以上治療を中断する場合は、当院へのご連絡をお願いしてきました。今後、このルールに加えて、治療中断後の4ヶ月目からは1ヶ月ごとにご状況を電話でお知らせいただくようお願いします。ただし、当院で継続して治療を受けている病気に関しては、医師の指示に従った定期的な来院がある場合、電話での状況報告は必要ありません。

【5】IVF-Dドナー精子料金の値上げ

来年1月より、IVF-Dのドナー精子料金を現在の60,500円(税込)から71,500円(税込)へと値上げさせていただきます。費用負担の増加になり誠に申し訳ございません。この値上げは、ガイドライン違反の報道による非匿名ドナーの登録解除と凍結精子の破棄に伴う在庫数の減少、及び新規ドナー応募の減少に対応するためです。非匿名ドナーの確保は、匿名ドナーより難しくなく、広告活動を強化して新たなドナー層への認知を広げることで効果が見込めます。

【6】法整備前にIVF-Dを実施するリスク確認

皆様もご存知の通り、来年には特定生殖補助医療法が成立する見込みです。法案のたたき台によると、IVF-Dは法制化により大きく変わります。良くなる点も悪くなる点もありますが、重要なことは、当院のIVF-Dは国と学会から認められていないため、現行からの変更や移行は考慮されない可能性があるという点です。皆様は、法整備前にIVF-Dを実施するリスクについて夫婦でよく検討の上で進めてください。現時点で当院が特にリスク検討してほしいと考えているのは以下の通りです。

①法整備後は、国が夫婦、子ども、ドナーの情報を管理しますが、法整備前は当院が独自で情報を管理します。当院が閉院したり、災害や予期せぬ出来事によって情報が失われるリスクがあり、子どもとドナーの接触や近親婚の防止など、情報に基づくサービスを提供することができなくなります。

②法整備後は、夫婦や子どもへの心理的な支援や、保険適用などの経済的支援などが提供される可能性があります。しかし、法整備前に開始した治療や、法整備後の胚移植であってもその採卵が法整備前の場合は、これらの支援の対象外となる可能性があります。

③法整備前に凍結した胚を、法整備後も治療に使用できるかどうかは不明です。凍結胚があっても移植が認められない可能性があります。

④法整備前に完了した胚移植については、後に法整備が行われたとしても、当院とドナー間の契約は不遡及の原則に基づき有効と考えています。そのため、ドナーの非匿名性は維持されます。しかし、胚移植が法整備後に行われる場合、治療の開始点の解釈が採卵周期の開始日か、胚移植日かによって、ドナーの匿名性に関する法律の適用が異なる可能性があります。もし胚移植周期の開始日を基準とすると、法整備後は、18歳以上の子どもがドナーとの接触を希望しても、ドナーはその時点で改めて判断する権利を有するため、非匿名の保証はありません。

⑤法整備前のIVF-Dは当院の責任において実施するため、再度重大なガイドライン違反が発生した場合にはIVF-Dは終了します。その際に凍結胚がある場合でも同様であり、同意書の通り、IVF-Dの凍結胚は他施設への移送はできません。また、今後発生するガイドライン違反の内容次第では、治療を一時停止する可能性もあります。さらに、夫婦単位においては、ガイドライン違反が確認された時点や、当院が必要と判断した場合には治療が終了します。

以上です。ご不明点がある場合はクリニックまでお問合せください。

(2023年12月17日)

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