自然・低刺激周期の新しい管理方法、胚移植周期の予約、保険胚1個残しの次採卵、妊婦のための支援金、予約システム一時停止 No.191
【1】自然・低刺激移植の新しい管理方法
【2】胚移植周期の「初日」予約について
【3】保険胚が1個残っていても、次の保険採卵ができるケースを広げます
【4】妊婦のための支援金:胎児心拍後の流産も対象
【5】6/1 WEB予約システム一時停止
【1】自然・低刺激移植の新しい管理方法
胚移植の方法には、「自然・低刺激」と「ホルモン補充」の2つがありますが、今回は「自然・低刺激」法に関するお知らせです。
先日開催された国際生殖医療学会の発表を受け、当院では「自然・低刺激」法において新しいプロゲステロン管理法を導入しました。この方法では、排卵のタイミングに依存せず、移植のタイミングを柔軟に調整できるようになります。従来の方法とこの新しい方法を状況に応じて使い分けることで、胚移植日が日曜日に重なることは原則なくなります。なお、「自然・低刺激」法のため、卵胞の発育が不十分な場合、子宮内膜が薄いといった医学的理由により移植が中止となる可能性はこれまで通りです。
【2】胚移植周期の「初日」予約について
胚移植周期における最初の来院予約は、『【胚移植周期】初日来院』という新しい予約項目からお取りください。診療予約システムにログイン後、「診察」を選択すると、上から2つ目にこの予約項目として表示されますので、見つけやすくなっています。
【3】保険胚が1個残っていても、次の保険採卵ができるケースを広げます
_①現状
保険で採卵した場合、保険適用の凍結胚が残っている間は、原則として次の保険採卵はできません。ただし、医師の医学的判断によって例外が認められることがあり、これは医療機関によって基準が異なります。当院ではこれまで、「残っている胚が1個で、グレードが4BC以下」の場合のみ、次の保険採卵を認めていました。
_②対象の拡大
今後は、残っている胚が1個で、グレードがBBやACでも、診察でのご相談を前提に、次の保険採卵を可能になります。
_③この変更の背景
最近、「BBやACの胚を移植すべきか、それとも、もっと良い胚(AA・BA・AB)を目指して採卵し直すべきか」と悩む患者さんが増えています。こうした悩みは、精神的に大きな負担となることが多く、当院ではその負担を少しでも軽くしたいと考えています。この方針変更により、先に再採卵を行い、その上で得られた胚も含めて、ご夫婦が納得したうえで移植に進めるようになります。ただし、次の注意点をよくご理解ください。
_④注意点
(1) 保険胚移植が2回以上残っている方
先の採卵で得られた凍結胚(BC・BB・AC)から移植を行う必要があります。再採卵後の胚を優先して移植したい場合は、既存の胚を破棄する判断が必要です。ただし、BB・ACは妊娠の可能性は十分あることから、当院としては、破棄は慎重にご検討いただくようお願いしています。
(2) 保険胚移植が最後の方
再採卵で得られた胚を含め、全ての中から、最も良好な胚を選んで移植が可能です。
(3) 凍結胚PGT-A
保険回数を使い切った後の自由診療では、保険で採卵・凍結された胚に対しても凍結胚PGT-Aを実施することが可能です。
_⑤まとめ
以下の条件すべてに当てはまる場合、医師と「診察」または、「採卵周期の2・3日目」のご予約にてご相談いただければ、保険での再採卵が可能になります。
・凍結胚が1個のみ
・グレードがBC、BB、ACのいずれか
・ご夫婦が、移植よりも先に採卵を希望される場合
【4】妊婦のための支援金:胎児心拍後の流産も対象
今年4月から、胎児心拍が確認された妊婦さんを対象に、新しい支援制度が始まりました。「1回目:5万円」と「2回目:胎児数×5万円」の給付金に加え、出産・子育てに関する相談支援が一体となって提供されます。
この制度の大きな特徴は、胎児心拍が確認された後に流産・死産・人工妊娠中絶となった場合も、2回の給付金の対象になることです。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。https://www.haramedical.or.jp/column/staff/ninpukyufu.html
4月1日以降に当院で心拍確認後の流産があった方も、遡って申請可能です。お住まいの市区町村に制度の詳細をご確認の上、申請を進めてください。診断書が必要な場合は、上記ページの「目次5」からご依頼いただけます。
【5】6/1 WEB予約システム一時停止
6月1日(日) 9:00~13:00の間、ビルの法定点検に伴う停電のため、WEB予約システムがご利用いただけません。予約の確認・変更・キャンセルもできませんが、すでにいただいている予約情報は保管されております。
ご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどお願いいたします。
※メンテナンス終了時間は前後する場合があります。
以上です。ご不明点などございましたら、お気軽にお問合せください。
(2025年5月11日)