当院では、2026年8月1日より「提供精子による生殖補助医療のガイドライン」を改定します。
改定内容が多いため、これまで2回に分けてお知らせしてまいりました。今回は第3弾として、ガイドライン改定に関する最後のお知らせです。
ご注意
- 7月19日(日)に、「ガイドライン第8版」と「ガイドライン改定承認登録フォーム(子どもが3歳になる方の登録、新ワークシートが必要な方の登録、妻の血液型登録も同時実施)」をメールにて配信します。
- 8月1日以降も当院の提供精子による生殖補助医療に関するサービスを利用される方(利用する可能性がある方)は、ご夫婦それぞれが7月26日(日)までに「ガイドライン改定承認登録フォーム」の入力を完了してください。
第3弾の変更点
- IVF-Dに6か月休止制度を新設
- 各取り組みに有効期限を設ける
- 夫婦の生活環境を治療条件に追加
- 「非匿名」の説明をわかりやすく変更
- 「治療再開面談」の一律実施は廃止
- 凍結精子の融解同意書を廃止
①IVF-Dに6か月休止制度を新設
3か月ルールがある理由
IVF-Dには3か月ルールがあります。IVF-Dは採卵で得られた凍結胚も、将来生まれる可能性がある子どもとしてドナーから生まれる子どもの人数に含めて管理しています。そのため、凍結胚が残っている間は、提供精子に十分なストックがあっても、そのドナーを新たなご夫婦へ割り当てることができません。この状態が長く続くと、新たに割り当てられるドナーが不足し、治療を開始できないご夫婦が生じる可能性があります。
そのため当院では、限りある提供精子を有効に活用し、より多くのご夫婦へ公平に治療機会を提供するため、3か月ルールを設けています。
これまでは、病気など医学的な理由がある場合に限り、3か月を超えて治療を休止することができました。
6か月休止制度の新設
現在の非匿名提供精子のストック状況を踏まえ、8月1日の改定以降、医学的理由がない場合でも、生涯1回に限り、最長6か月治療を休止できる制度を新設します。
具体的な方法
- 医学的理由以外で3か月を超え、6か月以内の休止を希望する場合は、3か月の期限内に、夫婦一緒に医師の診察を受け、「IVF-D6か月休止制度の申請書」をご提出ください。オンライン診療をご利用の場合は、診療日までに当院必着でお送りください。
- 医師が申請内容を確認し、休止を認めた場合は、3か月ルールの起算日(前回の採卵日や胚移植日など)から最長6か月(6か月後の同日まで)、生涯1回に限り休止することができます。
- 休止期間中に年齢上限へ達した場合は、その時点で治療は終了します。
- 「IVF-D6か月休止制度の申請書」は、7月28日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご使用ください。使用開始日は8月1日以降です。
②各取り組みに有効期限を設ける
本治療ではガイドラインや治療内容の見直しが年1回程度あります。また、長期間治療を中断した場合は、ご夫婦の状況や考え方が変化していることもあります。
そのため、これまでも治療の中断期間が長い場合は、状況に応じて以前の取り組みに戻っていただくことがありました。
8月1日の改定では、この運用を明確にするため、各取り組みに有効期限を設けます。
| 期間 | 有効期限 | 過ぎた場合 |
|---|---|---|
| 勉強会~初診来院まで | 2年間 | 勉強会から再参加 |
| 初診来院~倫理委員会申請前カウンセリング完了まで | 2年間 | 勉強会から再参加 |
| 治療開始後 | 出産以外の理由による連続する治療中断期間は2年間 | 勉強会から再参加 |
③夫婦の生活環境を治療条件に追加
8月1日の改定では、夫婦が一緒に生活し、一緒に子育てができる生活環境にあることを、治療を受けるための条件として明記します。
住所が一致していること
夫婦双方の住民票の住所、実際に生活している住所、および当院カルテ登録住所が一致していることを、治療のたびに同意書にて確認します。
理由:非匿名の提供精子による生殖補助医療では、治療中だけでなく、妊娠後・出産後も本人確認や法的な確認が必要となる場合があります。そのため、夫婦・子ども・ドナーに関する情報を適切に管理するためには、住民票の住所、実際に生活している住所、および当院カルテ登録住所が一致していることが必要なためです
一緒に生活し一緒に子育てができる環境にあること
夫婦が1年のうち8か月以上、一緒に生活できること、また、妊娠後の面談や各種手続きをガイドラインに沿って実施することを治療のたびに同意書にて確認します。ただし、仕事や介護、転勤、留学、海外勤務などの事情により、年間4か月以上を別の場所で生活している場合であっても、一律に治療対象外とはしません。その場合は、妊娠後の生活拠点や子どもの養育体制などを確認する書類「夫婦生活・養育環境計画書」をご提出いただきます。倫理委員会が、子どもの福祉に影響がないと判断した場合は、治療を受けることができます。夫婦生活・養育環境計画書は7月28日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご使用ください。使用開始日は8月1日以降です。
理由:本治療は、血縁がなくても、夫婦が一緒に生活し、一緒に子育てをすることによって家族になっていく家族形成の方法です。これは、養子縁組において、血縁ではなく養育を通じて家族を形成していく考え方とも共通しています。一方で、近年、妊娠後のSW面談の時点になってから、夫婦が別居していることや、夫が海外に居住していること、海外出張などを理由に、ガイドラインで必須としている妊娠後SW面談を実施できない、または実施を希望されない事例が続きました。また、その時点になって初めて、出産後は妻のみが日本で子育てを行う予定であることが判明したケースもありました。そのため当院では、妊娠後から始まる子どもの福祉のための取り組みに支障が生じないよう、この条件を追加しました。
④「非匿名」の説明をわかりやすく変更
当院では、提供精子を「非匿名」と「匿名」の2種類に分けています。
これまで、非匿名の提供精子については、成人した子どもが希望した場合にドナーと「接触できる」と説明してきました。しかし、「接触」という言葉は、人によって受けるイメージに幅があり、伝わりにくいことがありました。
そのため、8月1日の改定では、「連絡できる」という表現に変更します。
なお、内容に変更はありません。これまでどおり、成人した子どもが希望した場合は、当院の仲介のもとで、メール・電話・手紙・直接会うによりドナーと連絡を取ることができます。
⑤「治療再開面談」の一律実施は廃止
これまで、第二子(第三子)の治療を再開する際は、すべてのご夫婦に「治療再開面談」を実施していました。
8月1日の改定では、この一律実施を廃止します。今後は、治療再開をご希望の際に、まずお電話をいただき、ご夫婦の状況を確認したうえで、必要な場合のみ面談や心理カウンセリングをご案内します。
⑥凍結精子の融解同意書を廃止
これまで、AIDおよびIVF-D採卵時にご提出いただいていた「凍結精子融解同意書」を廃止します。なお、それ以外の同意書は、これまでどおり提出が必要です。
また、8月1日のガイドライン改定にあわせて、多くの同意書も改定します。
当院ですべての治療を受けている方には、当院より最新の同意書をお渡しします。
一方、他院で治療を行い、ご自身で同意書をご用意いただいている方は、8月1日以降の治療には最新の同意書をご使用ください。
新しい同意書は、7月29日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご利用いただけます。
7/19~26の承認登録について
7月19日(日)に、以下の2点をメールにて配信します。
- ガイドライン第8版
- ガイドライン改定承認登録フォーム
- 子どもが3歳になる方の登録、新ワークシートが必要な方の登録、妻の血液型登録も同時に実施します
8月1日以降も当院の提供精子による生殖補助医療に関するサービスを利用される方(利用する可能性がある方)は、ご夫婦それぞれが7月26日(日)までに「ガイドライン改定承認登録フォーム」の入力を完了してください。
承認登録フォームの入力が完了していない場合は、8月1日以降、当院の提供精子による生殖補助医療に関するすべてのサービスをご利用いただくことはできません。
対象となるサービスは、治療だけではなく、以下の通りです。
- 治療(AID・IVF-D)
- 心理カウンセリング
- SW面談
- 治療に関する各種手続き
- 説明会・勉強会
- 各種書類の送付
- 絵本作成会
- 親子会
- 子ども会
- HARA Donor Sibling Link
- ドナーとの連絡
- その他、提供精子による生殖補助医療に関するすべてのサービス
よくある質問
患者様からいただいたご質問をもとに、70件以上のFAQを掲載しています。内容は随時追加・更新していますのでぜひご覧ください。
ガイドライン改定の【よくある質問】FAQ本件に関するご質問
今回のガイドライン改定は大きな変更を含むため、ご不明点もあるかと思います。
①本記事、②よくある質問をご確認ください。それでも解決しない場合は、下記の専用フォームよりお問い合わせください。
ガイドライン8版改定に関するご質問フォームなお、本件に関するお問い合わせは、電話およびホームページのお問い合わせフォームでは受け付けておりません。お手数をおかけしますが、回答の統一と正確なご案内のため、専用フォームをご利用くださいますようお願いいたします。お電話をいただいた場合も専用フォームをご案内いたしますので、あらかじめご了承ください。