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東京都の不妊治療助成金【2026年拡大】保険診療も対象・1回最大15万円

東京都の不妊治療助成拡大を説明するぺージのアイキャッチ

東京都の不妊治療費助成制度が拡大され、2026年4月1日以降に開始した治療から、これまでの先進医療費に加えて、保険診療の生殖補助医療(体外受精・顕微授精)の自己負担分も助成対象になりました。

今回の変更ポイントは、次の2つです。

  1. 【保険診療の体外受精・顕微授精の自己負担分】も新たに助成対象に。 併用する先進医療費と合わせて、1回最大15万円が助成されます。
  2. 先進医療費は、7割から10割が助成対象に。 先進医療にかかる費用も、これまでより手厚く支援されます。

高額療養費制度と組み合わせることで、負担はさらに軽減されます。
例えば、10個採卵し、5個の胚盤胞を凍結。翌月の初回移植まで行っても、対象治療費の自己負担が0円になる試算です。

このあと、当院の費用と具体的な適用条件をもとに、先進医療を併用した場合も含めて、採卵から初回移植までの負担額を分かりやすくご紹介します。

拡大後の助成制度による東京都への申請受付は、2026年10月1日から始まります。

助成対象・金額はどう変わる?

  ’26年3/31まで ’26年4/1以降
保険生殖補助医療の自己負担 対象外 対象
先進医療 7割が対象 全額対象
1回の助成上限 15万円  合わせて15万円

※ 新制度の助成額は、高額療養費や健康保険の付加給付などを差し引いた残額をもとに計算します。一律15万円が支給される制度ではありません。自由診療で行う体外受精・顕微授精は対象外です。

あなたの治療は新制度の対象?

助成対象は、胚移植日ではなく、一連の治療の開始日によって決まります。

ルール①初回の胚移植の場合

同じ採卵で得られた胚の「初回の移植」は、採卵周期の治療計画を立てた日が治療開始日

ルール②2回目以降の胚移植の場合

同じ採卵で得られた胚の「2回目以降の移植」は、それぞれの胚移植周期の治療計画を立てた日が治療開始日

例えば―――

【採卵】3/2に治療計画、採卵周期開始。全胚凍結
【初回移植】4/2に治療計画、移植周期開始。胚移植は4/22
【2回目移植】5/2に治療計画、移植周期開始。胚移植は5/22

◆初回移植の治療開始日
治療開始日は採卵の治療計画を立てた3月2日になるため、助成は先進医療のみが対象(ルール①)

◆2回目以降の治療開始日
治療開始日は胚移植の治療計画を立てた5月2日になるため、助成は保健診療の生殖補助医療(体外受精・顕微授精)と先進医療が対象(ルール②)

「4月以降に移植したから新制度」とは限らないため、ご自身の治療開始日を確認しましょう。

自己負担はいくら?費用シミュレーション

高額療養費制度と東京都の助成とを利用すると、採卵から初回の胚移植までの自己負担はいくらになるのでしょうか。 当院の費用を例に、保険診療のみの場合と、先進医療を併用する場合を順に見ていきましょう。

10個採卵し、5個の胚盤胞を凍結。翌月に初回移植する場合

保険診療で10個採卵し、5個の胚盤胞をすべて凍結。その翌月に、初回の凍結胚移植を行うケースです。

治療費の内訳 保険診療3割負担額
採卵月の保険診療 約125,000円
移植月の保険診療 約50,000円

1.まずは、高額療養費制度で負担軽減

高額療養費制度は、保険診療の自己負担額に月ごとの上限が設けられている制度です。マイナ保険証を利用し、医療機関で限度額情報を確認できる場合は、保険診療の窓口負担が月額上限までに抑えられます。

月ごとの適用のため、採卵月と移植月を別々に計算します。

高額療養費制度の区分

今回は、年収の目安が約370万~770万円の所得区分で、2026年8月以降の診療として試算します。この区分の月額上限は、次の式で計算します。
85,800円+(保険診療の10割の医療費-286,000円)×1%

採卵月の保険診療:約125,000円については、高額療養費適用後の負担は約87,000円に軽減されます。
翌月の胚移植保険診療:約50,000円は月額上限に届かないため、そのままです。

 

保険診療

高額療養費制度後
採卵月 約125,000円 約87,000円に軽減
移植月 約50,000円 約50,000円のまま
採卵~移植の合計 約175,000円 約137,000円に軽減

2.ここに、東京都の助成!

高額療養費適用後の対象費用に、東京都の助成を適用します。

今回のように採卵と初回の凍結胚移植が別の月でも、一連の治療のため、採卵から初回移植までの保険診療分と先進医療分を合わせて、最大15万円が助成されます。

この例では、
高額療養費適用後の対象治療費約137,000円が東京都の助成でまかなわれるため、対象治療費の自己負担は0円になります。

注意点として、東京都の助成は治療後の手続きにより戻ってくるお金ですので、一度窓口では支払う必要があります。

続いて、先進医療を併用する場合です。

先進医療を併用する場合

同じく、保険診療で10個採卵し、5個の胚盤胞をすべて凍結。その翌月に、初回の凍結胚移植を行うケースですが、採卵周期に先進医療のタイムラプス、移植周期にSEET法を行った場合です。

高額療養費制度を適用

採卵月の保険診療分は、高額療養費制度により約87,000円に軽減されますが、先進医療費は高額療養費の対象外です。また、翌月の移植費用50,000円は月額上限に届かないためそのままです。

周期 治療 負担額
採卵 保険診療 約87,000円
先進:タイムラプス 25,000円
胚移植 保険診療 約50,000円
先進:SEET法 25,000円
採卵から初回胚移植の合計 約187,000円

ここに、東京都の助成!

上記の合計約187,000円から東京都の助成15万円を差し引くと、先進医療の「タイムラプス」と「SEET法」を併用した場合、対象治療費の自己負担は約37,000円になります。

※ 費用は概算です。採卵にかかる保険診療費が同じ暦月内に発生し、翌月に移植するケースを想定しています。診療月や所得区分、治療内容によって負担額は異なります。東京都の助成要件を満たすことを前提とし、高額療養費の多数回該当・年間上限、健康保険の付加給付、市区町村の独自助成は含めていません。

2回目以降の胚移植

同じ採卵で得られた胚の2回目以降の移植では、それぞれの胚移植周期が東京都の助成対象になります。

今回の例のように、胚移植周期の保険診療の自己負担が約50,000円の場合、助成上限の15万円まで、先進医療費に充てられる枠は約10万円あります。

治療に必要な先進医療を複数併用しても、保険診療の自己負担分と先進医療費の合計が15万円以内であれば、対象治療費の自己負担は0円になります。

※ 東京都の助成要件・回数制限の範囲内での適用となります。

市区町村の上乗せ助成で、自己負担をさらに軽減

東京都の助成の他に、お住まいの区市町村によっては独自の助成制度があります。対象となる治療や助成額は自治体によって異なります。

東京都内の区市町村には、主に次のような助成パターンがあります。

  1. 先進医療費への上乗せ助成
  2. 保険診療の体外受精・顕微授精の自己負担分と、先進医療費への上乗せ助成
  3. 一定の条件を満たす自由診療の体外受精・顕微授精への助成

先ほどの、先進医療であるタイムラプスとSEET法を併用した例では、東京都の助成後の自己負担は約37,000円でした。
この残額が区市町村の助成対象となり、全額が助成されれば、先進医療を含めた対象治療費の自己負担は0円になります。

東京都の助成拡大に伴い、独自助成を拡大した自治体や、制度を見直している自治体もあります。対象費用の計算方法や申請条件・期限については、お住まいの自治体の最新案内をご確認ください。

民間医療保険の給付金

民間の医療保険に加入している場合、契約内容によっては、採卵・受精・胚培養・胚凍結・胚移植などが手術給付金の対象になります。

先進医療の保障が付いていれば、タイムラプスやSEET法なども給付対象になる場合があります。

東京都の助成額を計算する際に、民間の医療保険の給付金を差し引く必要はありません。 そのため、助成によって自己負担が軽減されたうえで、さらに給付金を受け取り、助成後の自己負担額を給付金が上回る場合もあります。

診療報酬点数に応じて給付される契約

民間の医療保険における手術給付金には、1回につき一定額が支払われるタイプのほか、対象となる手術の診療報酬点数に応じて支払われるタイプがあります。
ここでは、次の条件を満たす契約を仮定して考えてみましょう。

  • 各治療が給付対象となり、診療報酬点数1点につき3円が給付される
  • タイムラプス・SEET法には、先進医療の技術料と同額が給付される

これまでと同じく、10個採卵し、5個の胚盤胞をすべて凍結。翌月に初回の凍結胚移植を行い、先進医療としてタイムラプスとSEET法を併用するケース

給付対象となる治療 仮定した給付額
採卵術 31,200円
体外受精・顕微授精管理料 12,600円
受精卵・胚培養管理料 37,500円
胚凍結保存管理料 21,000円
胚移植術 36,000円
先進医療:タイムラプス 25,000円
先進医療:SEET法 25,000円
合計 188,300円

この例では、東京都の助成後の対象治療費の自己負担は約37,000円でした。仮に上記の188,300円が給付されれば、助成後の自己負担額を約151,000円上回る計算です。

※ 上記は給付の仕組みを説明するための仮定の例で、特定の商品の給付額を保証するものではありません。保険料などを含めた収支ではなく、対象治療費と給付金を比較しています。

加入している保険の給付条件を確認しましょう

給付対象となる治療や金額、回数制限、同日に複数の治療を受けた場合の扱い、不妊治療の保障が開始されるまでの期間などは、契約によって異なります。また、契約によっては一時金が追加される場合もあります。

まとめ

東京都の助成拡大により、保険診療の体外受精・顕微授精の自己負担分と先進医療費を合わせて、1回最大15万円の助成を受けられます。高額療養費制度と組み合わせると、今回の例のように、採卵から初回の胚移植までの対象治療費の自己負担が0円になる場合もあります。

お住まいの市区町村の上乗せ助成や、加入している民間の医療保険の給付金もご確認ください。

東京都や市区町村への助成申請には、医療機関が作成する「受診証明書」が必要です。
当院の患者様は、次のボタンからご依頼ください。

当院の受診証明書の作成依頼

妊娠後は、国の制度として、妊婦のための支援給付金制度があります。「1回目:5万円」と「2回目:胎児数×5万円」の給付金です。胎児心拍が確認された後に流産・死産・人工妊娠中絶となった場合も、2回の給付金の対象になります。