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ガイドライン改定(第3弾)治療の進め方・運用ルールの見直しについて

提供精子の生殖補助医療ガイドライン第3弾のお知らせにおけるイメージ画像

当院では、2026年8月1日より「提供精子による生殖補助医療のガイドライン」を改定します。

改定内容が多いため、これまで2回に分けてお知らせしてまいりました。今回は第3弾として、ガイドライン改定に関する最後のお知らせです。

第3弾の変更点

  1. IVF-Dに6か月休止制度を新設
  2. 各取り組みの有効期限を設定
  3. 夫婦の生活環境を治療条件に追加
  4. 100年間の情報管理費用を見直し
  5. 「非匿名」の説明をわかりやすく変更
  6. 「治療再開面談」の一律実施は廃止
  7. 凍結精子の融解同意書を廃止

①IVF-Dに6か月休止制度を新設

3か月ルールとその理由

IVF-Dでは、採卵から胚移植までなど、各治療・手続きを3か月以内に進めていただく「3か月ルール」を設けています。

このルールは、限りある提供精子を有効に活用し、より多くのご夫婦へ公平に治療機会を提供するためのものです。IVF-Dでは、採卵で得られた凍結胚も将来生まれる可能性のある子どもとして管理しています。そのため、凍結胚が残っている間は、提供精子に十分な在庫があっても、そのドナーを新たなご夫婦へ割り当てることができません。この状態が長期間続くと、新たに治療を開始できるご夫婦が減ってしまう可能性があります。

このため、これまでは病気など医学的な理由がある場合に限り、3か月を超えて治療を休止することを認めていました。

6か月休止制度の新設

現在は、非匿名提供精子のストック数に一定の余裕があることから、8月1日の改定以降は、医学的理由がない場合でも、生涯1回に限り最長6か月まで治療を休止できる制度を新設します。

具体的な方法

  • 医学的理由以外で3か月を超え、6か月以内の休止を希望する場合は、3か月の期限内に、夫婦一緒に医師の診察を受け、「IVF-D6か月休止制度の申請書」をご提出ください。オンライン診療をご利用の場合は、診療日までに当院必着でお送りください。
  • 医師が申請内容を確認し、休止を認めた場合は、3か月ルールの起算日(前回の採卵日や胚移植日など)から最長6か月(6か月後の同日まで)、生涯1回に限り休止することができます。
  • 休止期間中に年齢上限へ達した場合は、その時点で治療は終了します。
  • 「IVF-D6か月休止制度の申請書」は、7月28日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご使用ください。使用開始日は8月1日以降です。

②各取り組みの有効期限を設定

本治療ではガイドラインや治療内容の見直しが年1回程度あります。また、長期間治療を休止した場合は、ご夫婦の状況や考え方が変化していることもあります。

そのため、これまでも治療の休止期間が長い場合は、状況に応じて以前の取り組みに戻っていただくことがありました。

8月1日の改定では、この運用を明文化し、有効期限を設定します。

期間 有効期限 過ぎた場合
勉強会~初診来院まで 2年間 勉強会から再参加
初診来院~倫理委員会申請前カウンセリング完了まで 2年間 勉強会から再参加
治療開始後 出産以外の理由による連続する治療休止期間は2年間 勉強会から再参加

③夫婦の生活環境を治療条件に追加

8月1日の改定では、夫婦が一緒に生活し、一緒に子育てができる生活環境にあることを、治療を受けるための条件として明記します。

夫・妻それぞれの住所情報が一致していること

夫・妻それぞれについて、「住民票の住所」「実際に生活している住所」「当院カルテ登録住所」の3つが一致していることを、治療のたびに同意書にて確認します。

理由:提供精子による生殖補助医療では、治療中だけでなく、妊娠後・出産後も本人確認や法的な確認が必要となる場合があります。そのため、夫婦・子ども・ドナーに関する情報を適切に管理するためには、住民票の住所、実際に生活している住所、および当院カルテ登録住所が一致していることが必要です。

夫婦が1年のうち8か月以上、同じ場所で生活していること

夫婦が1年のうち8か月以上、同じ場所で生活していることを、治療のたびに同意書にて確認します。

ただし、仕事や介護、転勤、留学、海外勤務などの事情により、1年のうち4か月以上を別の場所で生活している場合であっても、一律に治療対象外とはしません。

その場合は、「夫婦生活・養育環境計画書」をご提出いただきます。倫理委員会にて、妊娠後の夫婦の生活拠点や子どもの養育体制などを確認し、子どもの福祉に影響がないと判断した場合は、治療を受けることができます。

「夫婦生活・養育環境計画書」は、7月28日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご使用ください。使用開始日は8月1日以降です。

理由:本治療は、血縁がなくても、夫婦が一緒に生活し、一緒に子育てをすることによって家族になっていく家族形成の方法です。これは、養子縁組において、血縁ではなく養育を通じて家族を形成していく考え方とも共通しています。一方で、近年、妊娠後のSW面談の時点になってから、夫婦が別居していることや、夫が海外に居住していること、海外出張などを理由に、ガイドラインで必須としている妊娠後SW面談を実施できない、または実施を希望されない事例が続きました。また、その時点になって初めて、出産後は妻のみが日本で子育てを行う予定であることが判明したケースもありました。そのため当院では、妊娠後から始まる子どもの福祉のための取り組みに支障が生じないよう、夫婦が一緒に生活できる環境を治療開始前に確認することとしました。

④100年間の情報管理費用を見直し

なぜ費用を見直すの?

当院では、この治療で生まれた子どもが成人後にドナーと連絡を取れるよう、夫婦・子ども・ドナーに関する情報を、初診日から100年間保管しています。

情報は、紙資料とデジタルデータの両方で管理し、紙資料は耐火金庫、デジタルデータは院内サーバーとクラウドサーバーの双方で保管しています。また、近年増加しているサイバー攻撃に備え、外部のセキュリティ専門業者による監視体制も導入しています。

さらに近年は、サーバー費用や管理費用の上昇に加え、セキュリティ対策への継続的な投資も必要となり、100年間という長い間、情報を管理するための費用が大きく増加しています。そのため、現在の初診時の44,000円だけでは、100年間の情報管理を維持することが難しくなりました

変更内容

2026年8月1日以降に当院をご卒業(妊娠によるご転院)される方から、初診時にお支払いいただく100年間の情報管理費(44,000円)に加え、ご卒業時(当院最終診療日)に33,000円をご負担いただきますようお願いいたします。

なお、この費用は、妊娠された方は、子どもの情報や出生後の記録など、100年間にわたり管理する情報が増えることを踏まえ、すべての患者様へ一律にご負担いただくのではなく、妊娠された方のみを対象としています。なお、この費用は子どもごとに発生するため、第二子以降をご妊娠された場合も、ご卒業時に同額をご負担いただきます。

ご卒業後に流産となった場合はご卒業時にお支払いいただいた100年間の情報管理費(33,000円)はご返金いたします。

⑤「非匿名」の説明をわかりやすく変更

当院では、提供精子を「非匿名」と「匿名」の2種類に分けています。

これまで、非匿名の提供精子については、成人した子どもが希望した場合にドナーと「接触できる」と説明してきました。しかし、「接触」という言葉は、人によって受けるイメージに幅があり、伝わりにくいことがありました。

そのため、8月1日の改定では、「連絡できる」という表現に変更します。

なお、内容に変更はありません。これまでどおり、成人した子どもが希望した場合は、当院の仲介のもとで、メール・電話・手紙・直接会うによりドナーと連絡を取ることができます。

⑥「治療再開面談」の一律実施は廃止

これまで、第二子(第三子)の治療を再開する際は、すべてのご夫婦に「治療再開面談」を実施していました。

8月1日の改定では、この一律実施を廃止します。今後は、治療再開をご希望の際に、まずお電話をいただき、ご夫婦の状況を確認したうえで、必要な場合のみ面談や心理カウンセリングをご案内します。

⑦凍結精子の融解同意書を廃止

これまで、AIDおよびIVF-D採卵時にご提出いただいていた「凍結精子融解同意書」を廃止します。なお、それ以外の同意書は、これまでどおり提出が必要です。

また、8月1日のガイドライン改定にあわせて、多くの同意書も改定します。

当院ですべての治療を受けている方には、当院より最新の同意書をお渡しします。

一方、他院で治療を行い、ご自身で同意書をご用意いただいている方は、8月1日以降の治療には最新の同意書をご使用ください。

新しい同意書は、7月28日以降、ホームページの「通院中の方」→「AID・IVF-D関連」から印刷してご利用いただけます。

7/11~20の承認登録について

7月11日(土)に、以下の2点をメールにて配信します。

  • ガイドライン第8版
  • ガイドライン改定承認登録フォーム

子どもが3歳になる方の登録、新ワークシートが必要な方の登録、妻の血液型登録も同時実施

8月1日以降も当院の提供精子による生殖補助医療に関するサービスを利用される方(利用する可能性がある方)は、ご夫婦それぞれが7月20日(祝月)までに「ガイドライン改定承認登録フォーム」の入力を完了してください。

承認登録フォームの入力が完了していない場合は、8月1日以降、当院の提供精子による生殖補助医療に関するすべてのサービスをご利用いただくことはできません。

対象となるサービスは、治療だけではなく、以下の通りです。

  • 治療(AID・IVF-D)
  • 心理カウンセリング
  • SW面談
  • 治療に関する各種手続き
  • 説明会・勉強会
  • 各種書類の送付
  • 絵本作成会
  • 親子会
  • 子ども会
  • HARA Donor Sibling Link
  • ドナーとの連絡
  • その他、提供精子による生殖補助医療に関するすべてのサービス

よくある質問

患者様からいただいたご質問をもとに、70件以上のFAQを掲載しています。内容は随時追加・更新していますのでぜひご覧ください。

ガイドライン改定の【よくある質問】FAQ

本件に関するご質問

今回のガイドライン改定は大きな変更を含むため、ご不明点もあるかと思います。

①本記事、②よくある質問をご確認ください。それでも解決しない場合は、下記の専用フォームよりお問い合わせください。

ガイドライン8版改定に関するご質問フォーム

なお、本件に関するお問い合わせは、電話およびホームページのお問い合わせフォームでは受け付けておりません。お手数をおかけしますが、回答の統一と正確なご案内のため、専用フォームをご利用くださいますようお願いいたします。お電話をいただいた場合も専用フォームをご案内いたしますので、あらかじめご了承ください。