Article/Column 記事・コラム
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2021.04.13
不妊治療の現状と成功率 | 成功へ導くためのポイントを紹介
不妊治療の現状について 日本産科婦人科学会の調査によると、2018年には全国592施設、合計454,893周期の体外受精が行われ、胚移植1回あたりの妊娠率は31.9%でした。この年の総出生数918,400人のうち体外受精で生まれた子どもは56,979人、つまり16人に1人が体外受精で生まれているということです。その5年前の2013年は体外受精で生まれたこどもは24人に1人の割合であったことと比較すると、体外受精で生まれる子供の割合はかなり増えていることがわかります。これは不妊治療(体外受精)をする人の数が増えたことと、体外受精の技術の進歩により妊娠率が上昇していることが要因と考えられます。 不妊治療の成功率について 下のグラフは日本の成功率の全国平均です。これを見ていただくと、35歳を境に妊娠率の下がり幅が大きくなっており、反対に流産率は上昇していることがわかります。この傾向は10年前から変わっておらず、進歩した治療をもってしても年齢という壁を超えることは出来ないのです。 【不妊治療】年齢とともに成功率が下がる理由 ではなぜ年齢とともに妊娠しづらくなってしまうのでしょうか。それには「卵子の質の低下」「卵子の数の減少」が関係しています。 卵子の質の低下 卵子は他の細胞とは違い、新しく生まれ変わることはありません。赤ちゃんの時にもっていた卵子は年を重ねるごとに減少し、残った卵子はその分年をとります。卵子は精子と受精するために「減数分裂」という生殖細胞特有の細胞分裂を行いますが、年をとった卵子はこの「減数分裂」を正しくすることができなくなります。正しくない減数分裂を行った年をとった卵子はその後精子と受精しても胚盤胞まで育たなかったり、着床しなかったり、流産したり、あるいは先天性染色体異常を有した児に繋がります。 卵子の数の減少 女性の持つ卵子の数はいつが一番多時期は妊娠5ヶ月、つまりお母さんのお腹の中にいるときに卵母細胞(卵子の元になる細胞)の数はピークを迎えます。このとき約600万~700万個まで増えた卵母細胞は閉経に至るまで継続して減少し、増加することはありません。生まれてくるころには、約200万個となり排卵が起こり始める思春期頃には30万個まで減少します。その後、37歳で25,000個、閉経を迎えることに
- 不妊症の検査・治療
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2021.04.07
不妊治療 | 年齢にとらわれず成功率を上げるには
【不妊治療】年齢を重ねると妊娠が難しくなる理由 妊娠するための力のことを「妊孕性にんようせい」といいますが、この妊孕性は年齢とともに低下します。この理由を3つにわけてご紹介します。 卵子の質の低下 不妊と年齢の関係性を表すとき「卵子の質」という言葉をよく聞くと思います。卵子の質とはどういうことなのか詳しく説明したいと思います。多くの細胞は「核(DNAの集合体が染色体、染色体の集合体が核)」と「細胞質」からできています。 そして全ての細胞は、時と共に老化すると、細胞質のミトコンドリアが減少しエネルギー活動を終えて細胞は消失していきます。しかし、卵子以外の細胞は細胞分裂によって新しい細胞に入れ替わるので総合的に組織に問題は発生しません。この点が卵子とそれ以外の細胞の大きな違いです。女性は一生分の卵子を持って生まれており、生まれてから卵子が増えることはありません。そして体の中で最も古い細胞である卵子は、排卵や採卵をした後、精子と受精します。この受精の時に質が低下した卵子では問題が発生します。 卵子に精子が侵入すると卵子の第二減数分裂が再開されます。若い卵子の場合、減数分裂は正常に行われる確率が高く、染色体本数が正常な受精卵が発生しやすくなります。 老化した卵子の場合、その減数分裂の時に染色体分離がうまくいかず染色体本数が異常な受精卵が発生します。ヒトの染色体本数は46本ですが、染色体本数が多かったり少なかったりすると、受精をしなかったり、受精をしても途中で発生が停止して胚盤胞まで育たなかったり、発生が進み妊娠まで至ったとしても、その先で流産をするか、あるいはダウン症などで知られる先天性の染色体異常を有した児の誕生に繋がります。 染色体異常が発生する確立は35歳で50%を超えます。そのため、産婦人科医は35歳までの妊娠を推奨しています。その後、38歳で80%、40歳で96%という高確率で発生すると考えられています。 胚盤胞まで育ったグレードの良い胚であっても、見た目ではわからない染色体異常を有している場合があります。胚移植不成功の原因でもっとも多いのが染色体異常です。 2018年の日本産科婦人科学会の発表によると、胚移植当たりの生産率(出産率)は30歳で34%、35歳で30%、40歳で17%、45
- 不妊症の検査・治療
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2021.04.07
【不妊治療】不育症(流産)の原因と検査方法とその流れ
不育症(流産・死産)について 不育症とは 妊娠したものの流産、死産を2回以上繰り返す状態をいいます。 流産とは、妊娠の早い時期(妊娠22週)までにおなかの赤ちゃんが亡くなってしまうことをいい、妊娠22週以降に亡くなった場合を死産といいます。また流産の内、妊娠12週未満のものを「早期流産」、妊娠12週以降22週未満のものを「後期流産」と定義されています。早期流産は流産全体の約90%を締めています。流産は妊娠の10~20%の頻度で起こり、まれなことではありません。この頻度は女性の加齢とともに増加し40歳代の流産は50%とも言われています。流産の繰り返しが2回の場合を「反復流産」と呼び、その頻度は2~5%です。そして流産を3回以上繰り返した場合を「習慣流産」と言います。流産は多くの妊娠で見られ、誰にでもおこる病態です。しかし、3回以上繰り返す場合は1%程度の頻度であり、両親に何らかの疾患が隠れていることもあります。 なお、hCGの尿検査や採血検査で妊娠反応は出たものの、子宮の中に赤ちゃんの袋がみえる胎嚢確認前に流産してしまう場合は化学流産といい、現在は不育症の流産回数には含められていません。 不育症の原因 不育症についてはまだ分かっていないことが多く、検査を行っても約半数は原因が特定できないとされます。ですが、不育症の方が検査を行うと、一定以上の頻度で見られる異常があり、「これらの因子があると流産しやすい」という意味で「原因」ではなく「リスク因子」と表現されるものがあります。厚生労働省 反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアルでは、1回の流産でリスク因子を検査する必要はなく、2~3回以上流産を繰り返す場合にリスク因子の検査を勧めるとしています。 夫婦染色体異常 妊娠初期の流産の原因の大部分(約80%)は胎児(受精卵)に偶発的に発生した染色体異常ですが、流産を繰り返す場合は夫婦どちらかに染色体構造異常がある可能性が高くなります。夫婦とも全く健康ですが、卵子や精子ができる際に染色体に過不足が生じることがあり流産の原因となります。 子宮形態異常 子宮の形によっては着床の生涯になったり、胎児や胎盤が圧迫されたりして流産や早産が起こりやすくなります。 内分泌異常 甲状腺機能異常や糖尿病が流産のリ
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2021.04.07
不妊治療におけるリスクについて | 少しでもリスクを減らすための対策
不妊治療におけるリスク:体外受精 体外受精の治療方法 体外受精とは、体外で受精した受精卵を直接子宮に移植する方法です。卵管性不妊(卵管の通過障害、ピックアップ障害が疑われる場合)、受精障害(卵子の問題、精子の問題)、男性不妊、自然性交や人工授精で妊娠が成立しなかった場合、その他、原因不明不妊、高齢、子宮内膜症、重症排卵障害、多のう胞性卵巣(PCO)などがこの適応にあたります。 体外受精の流れ STEP1 排卵誘発 生理開始3日目~10日目頃まで注射や経口薬によってホルモンを補い、複数の卵を育てます。AMHの数値やその周期の採血検査の結果によって誘発方法は変わってきます。また、「なるべく薬は使いたくない」「できるだけ多く採卵したい」といった患者様のご要望があればそれも考慮して誘発方法を決めていきます。 STEP2 LHサージ誘起 採卵の2日前に行う注射や点鼻薬です。成長した卵胞はLHサージが起こることで成熟し、精子との受精が可能な状態になります。はらメディカルクリニックではLHサージの方法として、遺伝子組み換え製剤オビドレル・妊婦尿由来のhCG注射・スプレキュアの3種類を用意しその方に合ったものを提案しています。 STEP3 採卵 採卵は排卵直前に卵巣から卵子を外に取り出す手術です。生理開始11日目~14日目頃に行います。細い針を腟から刺し、卵胞に到達させ、卵胞液とともに卵子を吸引し回収します。所要時間は10~15分です。ご希望により「静脈麻酔」か「無麻酔」かをお選びいただけます。 STEP4 受精 採卵したその日に行います。採卵後、培養士と相談して5つの受精方法からお選びいただきます。 コンベンショナルIVF 卵子を媒精用のディッシュに移し、そこに濃度調製後の精子を加える方法。 顕微授精 ガラスの針で直接卵子に精子を注入する方法 レスキューICSI 最初にコンベンショナルIVFで媒精する。その後4~6時間経過観察し受精の兆候が認められない卵子だけをディッシュから抜き出しICSIする方法。 スプリットICSI 1回の採卵で採取された卵子を2つのグループに別け、コンベンショナルIVFと顕微授精(ICSI)の両方で受精を試みる方
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2021.03.31
精子の持参方法【培養部より】
桜も咲き始め、暖かい日が増えてきましたね。 朝方はまだ寒い日もありますが、みなさま治療に使用する精液はどのようにご持参されていますか? こちらの画像は当院で配布している持参用のカップに添付している資料です。 資料をご覧になって工夫して持参されている方もいらっしゃいますが、中には冷えたカップを持参されている方もいらっしゃいます・・・ そこで今回は、温度による精子所見の変化と適切な持参方法についてお話をしていきます。 精液を射出する前、精子は陰嚢のなかで貯蔵されています。 陰嚢は体温より低く34~35℃となっています。 では、検査や治療で精液を採取する際は何度で保管するのがベストでしょうか? 過去の論文に射出精子を4℃、20℃、37℃で保存し精子所見が経時的にどのように変化するのかを検討したものがありました。その論文によると20℃で保存したものは12時間経過しても運動率の低下があまり見られなかったものの、4℃と37℃では運動率が優位に低下したそうです。37℃での保存だと精液中の細菌が増殖することで精子が死滅したり、暑すぎると精子が活性化してしまいエネルギーを消費することで運動率が低下するそうです。 この論文から、精子は寒くても暑すぎても運動率が低下してしまうことがわかります。 いくつかの論文では20~25℃が精子を持参するのに最適な温度ともいわれています。 また、当院通院中の同一患者様33名の夏と冬の持参精子の所見を比較したところ、冬のほうが運動率、高速運動率ともに10%低下していました。 中には冬の精子所見が夏よりも60%も運動率が低下している方もいらっしゃいました。 この結果から、外気温によって精子の運動率が低下してしまうことが分かりました。 以上のことから、精子は非常にデリケートなため射出後の温度変化に弱いものということがお分かりいただけたでしょうか。 では次に寒い時期の適切な精子持参方法について紹介します。 20~25℃くらいで保温して持参するのには、温かいスープやお弁当を持ち運べることで有名なスープジャーなどの保温容器がおすすめです。 当院のカップの大きさはフタの直径が6.5cmと高さ7.5cmとなっております。 お手持ちの保温容器がありましたら、カップが入るかどうか試してみてください。 大きい容器をお持ちの場合は、タオル類で包んで容器にいれれ
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2021.03.20
体外受精説明会レポート(2/20(土)開催分)
【開催日時】 2021年2月20日(土) 16:30~18:00 【ご参加頂いた方】 ・参加人数・・・72名(Zoomでの参加含む) 【頂いたご意見】 ・主人と参加させていただきましたが、わかりやすい説明でありがたかったです。資料もいただきましたのでゆっくりと読ませていただきます。 ・詳しくお話をしていただきありがとうございました。 ・わからないことが、よくわかったので非常にいい機会であったと思う。 ・説明がわかりやすかった。また、よくある質問もスライドで商会していただいたが、「よくある質問集」という紙のリストがあるとより良いと思った。 ・説明会はとてもいいです。可能性の有無がよく理解でき、今後どうするかを考えられるようになった。 【頂いたご質問】 Q これまでAIH3回、タイミング療法数回行っています。初めて採卵を行いたいと思うが麻酔はありますか? A 麻酔はあります。静脈麻酔を採卵開始時に入れて、手術中に表情やお体の動きから痛みを感じている様子があればその都度追加して使用します。麻酔だけでなく痛み止めも併用できますので採卵日が決まった時に看護師にご相談ください。 Q 1回で卵が思ったように取れなかった場合、何回も続けて行っていいのでしょうか? A 続けて採卵周期に入ることも可能です。ただし、OHSSというリスクがあるので採卵後の体調にもよります。 また、続けて採卵周期に入ろうとするときにホルモン値が良くなく、採卵周期には入れない場合もあります。その場合には卵巣を休めるために薬を使うこともあります。 Q 1人タイミング療法で出産していますが、それでもAIHがうまくいっていない現状があれば卵管造影や子宮鏡なども検査はするべきでしょうか? A 原因精査のために奥様が卵管造影や子宮鏡をすることは良いと思います。出産後に何らかの感染などがあった場合には卵管が閉塞することもあります。また、内膜炎なども可能性としてはあげられるので一度宮﨑院長に相談してみると良いと思います。 Q 現在38歳で結婚はしていますが自分は海外、夫は日本で生活しておりそれがあと1.2年は続きます。今は挙児希望はないですが、将来後悔したくないので、受精卵を凍結して移植のタイミングは仕事の様子で決めようと思っています。この場合、今後はどういう治療計画を立てればいいのでしょうか? A
- 体外受精説明会のレポート
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2021.03.16
不妊治療の検査の流れや費用や検査項目について
不妊治療検査の項目と流れ【女性】 初診時に行う検査 これからお子様を授かる方に必要な検査を初診時に行います。この検査は実施時期を問いませんので、月経何日目であっても検査可能です。他院で検査を済ませている場合は、その検査日が当院の初診から1年以内のものであれば有効です。検査日、検査実施施設名が記載された検査結果用紙をご提出ください。 初診をご希望の場合はこちらから予約サイトの利用登録を行い、案内に沿ってご予約をお願いします。 感染症検査、初診セット検査 感染症検査は感染症に罹患しているかどうかを確かめる検査です。感染症にかかっている場合、産まれるお子様に影響が生じたり、それが原因で不妊症となってしまったり、または不妊治療の検査や処置をすることでその感染源を子宮内部へ広げてしまう恐れがあります。感染症検査で陽性の場合は不妊治療の前にまずその治療をすることが必要です。また感染症検査の中には風疹抗体検査も含まれます。風疹抗体が低い方は妊娠中に風疹に感染しないように先にワクチンを接種をしていただきます。風疹ワクチンは生ワクチンのため接種から2ヶ月は避妊をしていただきます。初診セット検査は妊娠しにくい状態をつくる因子がないかを調べる検査です。 検査項目HBs抗原、HCV抗体、RPR、TP抗体、HIV、風疹ウイルス抗体、淋菌クラミジアPCR、Zn(亜鉛)、HbA1c、ビタミンD₃、血液型検査方法採血検査、子宮頚部分泌物検査 甲状腺検査 甲状腺機能に異状がないかを確かめる検査です。甲状腺機能に異常がある場合、妊娠しづらかったり、流産の可能性が高まることが報告されています。また、生まれてくる赤ちゃんの発達障害や母体の合併症を引き起こす可能性もあるため、不妊治療をするためには、甲状腺機能の治療をまず行うことが必要です。甲状腺検査で異常値が出た場合には紹介状をお渡し、専門の医療機関で治療受けていただきます。 検査項目TSH、FT4検査方法採血検査 定期的に行う検査 AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査 卵巣内の卵子の在庫量を調べるために行う採血検査です。AMH(抗ミュラー管ホルモン)とは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、血中AMH値が原始卵胞から発育する前胞状卵胞数を反映すると考えられており、これを測定をす
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2021.03.09
不妊治療の検査は痛い? 検査内容や少しでも痛みを和らげる方法について
不妊治療の検査について 初診当日の流れ 受付 ご来院いただくとまず、当院の受診システムや予約方法などについて受付スタッフより説明いたします。大まかな流れは動画を用いて説明いたしますが、ご不明な点があればその都度ご質問ください。 ↓ 医師の診察(問診・超音波検査) 説明が終わった後は待合室にご移動いただき、診察室にお呼び出しするまで少しお待ちいただきます。医師の診察では事前にお送りいただいた問診と、ご夫婦の希望をもとに治療方針を決めていきます。必要に応じてホルモン検査や超音波検査も行います。治療実績に応じて、行ったほうがいい検査は医師から提案いたしますが、ご希望の検査があればいつでもご相談ください。 ↓ 処置(採血) その後、当院で治療を行うための必須検査を行います。精子検査以外の検査項目については1年以内の他院での検査結果をお持ちいただければ、その検査項目は当院で受けていただく必要はありません。当日、女性側のみのご来院の場合は、1か月以内に男性側の必須検査を受けていただくようにお願いしております。診察のみをご希望の場合は必須検査を後日行うこともできますが、必須検査を受けていただかないと具体的な治療に進むことはできませんのであらかじめご了承ください。 また、体外受精を行う方は必須検査に加え、「IVF術前検査」も受けていただきます。 検査結果は次回の診察時に医師から説明いたします。 妻の必要検査 初診必須検査 検査内容HCV抗体、RPR、TP抗体、HIV、淋菌・クラミジアPCR、HBs抗原、TSH、FT4、HbA1c、Zn(亜鉛)、ビタミンD、風疹ウイルス、血液型、AMH検査方法採血・子宮頚部分泌物検査予約方法初診日、もしくは2回目の来院日に行いますので検査のための予約は不要です。費用32,361円(税込)検査結果検査から約1週間かかります。結果が出ましたら次回診察時に結果をお渡しします。検査の期限初診日、もしくは2回目の来院まで。注意点①他院で検査を済ませている場合は、その検査日が当院の初診から1年以内のものであれば有効です。検査日、検査実施施設名が記載された検査結果用紙をご提出ください。②通院後も1年に1回検査が必要です。 IVF術前検査 体外受精をされる方のみ 検査内容
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2021.03.09
不妊治療で行なう注射について|種類やメリットをご紹介
不妊治療で行う自己注射とは 排卵誘発のための注射 不妊治療では「排卵誘発」といって、薬剤を使い必要なホルモンを補って卵胞を育てる治療を行うことがあります。排卵障害のある方や、体外受精における採卵周期で卵子を複数個採取したい方はこの「排卵誘発」を行っていただきます。誘発剤は経口薬を使うことも出来ますが、この場合「低刺激」と呼ばれる誘発方法となり、育つ卵胞は少なくなります。一方「中刺激」や「高刺激」と呼ばれる誘発方法だと育つ卵胞の数は多くなりますが、誘発剤は注射によって投与する必要があります。この誘発方法は、ご年齢・身体の状態・採卵をする場合の希望採取数などによって変わってきますので、医師との相談のうえ決定いたします。 自己注射とは 注射によって排卵誘発をする場合、病院で注射を打つか、自分で注射を打つ「自己注射」を選択することができます。排卵誘発の刺激が強いほど注射の回数は多くなりますので、病院で注射をする場合、患者様によっては毎日の通院が必要となります。そのため当院では頻繁な通院が難しい患者様には自己注射をおすすめしております。当院で自己注射を選択される場合、最初だけ手技の練習を行っていただく必要がありますが、注射のためだけの来院はなくすことができ、遠方の方や平日の通院が難しい方にはぜひ選択していただきたい方法です。 どれくらいの頻度で打つのか 誘発方法や使用する薬剤によって変わりますが、ここでは採卵周期における中刺激と高刺激の場合の一例を紹介します。※注射は排卵誘発のための注射とLHサージ誘起のための注射があります。LHサージ誘起は卵子を受精可能な状態に成熟させるために必要で、病院で注射をする方であっても採卵2日前の夜にご自身で注射をしていただきます。 中刺激の場合 月経開始 1日目 2日目 3日目 採血診察注射 4日目 注射 5日目
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2021.03.05
反復不成功例における胚盤胞2個移植の妊娠率と流産率。2個の組み合わせは?【宮﨑院長】
*これは、院長 宮﨑薫のブログ"note"の中から、不妊治療に関連する内容の中でアクセス数が多いものを抜粋しご紹介します。note で読む場合はこちら はらメディカルクリニック院長の宮﨑薫です。 胚移植を複数回行っても妊娠継続にいたらない症例を反復不成功例といいます。今回は反復不成功例における「胚盤胞2個移植」の当院データについてご説明いたします。 <データ条件> 対象期間:2017年~2020年6月末 対象者 :反復不成功例における2個胚移植実施者 Good:胚盤胞4BB以上 Poor:胚盤胞4BC以下 着床率 :hcG 10以上が確認された周期数/移植周期数 妊娠率 :胎嚢確認できた周期数/移植周期数 流産率 :胎嚢確認後流産数/胎嚢確認できた周期数 <Good胚の考察> 当院で二個胚移植を行う主な基準は、複数回胚盤胞移植をしても不成功であった場合です。そのため、二個胚移植を経験されている患者様のデータを集計した場合、二個胚移植を経験していない患者様に比べ、Good胚の移植であっても着床率、妊娠率はあまり高くありません。しかし、そのような症例でも、二個胚移植を行うことで高い着床率、妊娠率が確認できました。 一方で、二個胚移植には多胎率が上がるというリスクがあります。Good x Goodの組合せでは、単一胚移植に比べてかなり多胎率が上がっています。そこで、Good x Poorという組合せにすることで、二個胚移植のメリットを残しつつ、多胎率の上昇を抑えることが出来ます。 続いて、胚盤胞4BC以下のPoor胚について。 <Poor胚の考察> Poor胚を単一胚移植した場合の妊娠率は10%に満たないですが、Poor胚の二個胚移植を行うことで、20%を超える結果となっております。また、流産率も20%ほど低い結果となりました。Poor胚は単一胚移植に用いるよりも、たとえPoor同士の組合せであっても、二個胚移植を行う方が良いと考えられます。 <多胎妊娠のトラブル> 双子も可愛いと安易に考えがちですがさまざまな多胎トラブルがあります。 ・母体に生じるトラブル 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの合併症の発生頻度が上がります。また、帝王切開術や産後の異常出血の発生頻度も上昇します。切迫早産になりやすいため、長期の入院・安静が必要になる場合もあります。 ・胎