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精子の老化について【培養部より】

こんにちは、培養部です。
梅雨に入り、じめじめとした日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回は精子の老化についてお話させて頂きます。
卵子の老化については話題となり、すでにご存じの方が多いかと思いますが、昨今精子にも老化があるということがわかってきました。
今まで精子は毎日精巣で新しいものが作られているため、老化はないものと考えられてきました。しかし、マウスの卵に不妊ではない男性と、原因不明不妊の男性の精子をそれぞれ顕微受精させ、その卵活性率から精子の受精能力を評価する検査を行ったところ、原因不明不妊の男性群では加齢によって精子機能が低下するケースがあることがわかりました。精子機能が低下する群では35歳から急速な精子機能の低下がみられ、精子を育てるホルモンや細胞・精子そのものの数の減少、またDNA損傷精子の増加がみられました。男性は女性のような劇的な変化はなく、ゆるやかな衰えがあるのみで個人差がありますが、DNA損傷精子は胚の質を下げるため着床率を下げ、流産率を高めることが分かっており、また自閉症や統合失調症などの児への障害もあります。
精子は酸化ストレスに弱いことが知られており、加齢以外にも多量のアルコールや喫煙、精神的なストレスは男性不妊の原因といえます。加齢に対する治療法はありませんが、お酒や煙草を控えるなど精子にストレスがかからないような習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。