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双胎について【培養部より】

立冬を過ぎ、日々最低気温が更新されていることが報道されて、確実に冬が近づいていることが実感されるようになりました。体調を崩されたりされていませんか。転ばぬ先の杖ではありませんが、具合が悪いのかなと思うことがあれば休息を取るなど早めの対処をされてはいかがでしょうか。
さて、本日は普段皆様と接している中で、ご質問いただいた中から双胎について説明させていただきます。
体外受精のお話しをしている際に、一つの卵子に二つの精子が受精することで双胎になるのですかという質問をお受けすることがあります。結論からいえばこのような卵子が双胎になることはありません。この場合、受精自体は起こっているので受精卵と判定します。通常一つの卵子に一つの精子が受精するのを正常と判断しますので、このような場合は正常な受精様式ではないため、異常受精と判定します。2つの精子が一つの卵子に侵入した時点で、卵子の中の染色体の構成が異常になってしまうので、これ以降の培養は行いません。また、このようなパターンで受精した卵が着床すると、胞状奇胎という異常妊娠が起こる可能性も指摘されています。
自然妊娠、体外受精に関わらず双胎になる場合も、一つの卵子に一つの精子が受精する、すなわち受精が正常に行われるということが原則となります。
ところで、双胎には、二卵性と一卵性があります。体外受精胚移植での二卵性は、二個の胚を移植することにより発生します。一方、一卵性双胎は、一つの胚が発育初期の段階で二つに分離して、それぞれが赤ちゃんに育っていくことで起こると言われてきました。ところが、近年の研究で、胚盤胞の発生の段階から一つの胚盤胞の中に将来胎児になる内細胞塊と呼ばれる部分が2つ観察されることが報告され、従来言われていたケースだけでない事が明らかとなりました。一般的には、一胚移植における双胎の発生頻度は極めて低く1%未満と言われています。
一卵性の双胎では、母体から栄養、酸素を供給される胎盤を双方の胎児が共有する場合と、それぞれが独自に胎盤を形成することがあることも知られています。またいずれの場合においても一部の症例で慎重な周産期管理が必要になる場合があります。従いまして、移植後の妊娠判定以後においても定期的に受診していただくことをお勧めします。