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精子や胚の凍結保存について【培養部より】

こんにちは、培養部です。
季節もすっかり秋めいてきて過ごしやすい気候となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は、皆様から大切にお預かりしている精子や胚が当院でどのようにして保管されているのかをご紹介いたします。
皆様からお預かりした精子や胚は凍結に必要な処理を行った後に、液体窒素の入ったタンクの中で保管しております。液体窒素は文字通り空気の主成分である窒素を冷却・液化したものですが、その温度はなんと-196℃と超低温なのです。家庭用の冷凍庫がおよそ-20℃、食品業界などで広く使用されるディープフリーザーという超低温冷凍庫でも-60℃~-80℃であるため、-196℃というのはかなりの低温であることが分かるかと思います。では、なぜこのような超低温で凍結保存する必要があるのでしょうか?
精子や胚といった細胞を凍結する際に、細胞内の水分が凍って氷の結晶ができてしまうと、体積膨張が生じ、細胞にダメージが加わってしまいます。このような結晶化によるダメージを回避するには、水分を-130℃以下に急速に冷却する必要があります。急速冷却することで、水分が氷の結晶を作ることなく凍結することが出来るのです。水分が氷にならないので、体積変化も起こらず、細胞へのダメージもありません。さらに-196℃という超低温下では、凍結された細胞が劣化することもありません。
このように、水分が結晶化する時間も与えないほど急速に凍結させる方法は、ガラス化保存法(vitrification)と呼ばれ、胚の凍結保存などに広く利用されています。
精子も胚も凍結処理を行い、液体窒素中にある限りは半永久的に凍結保存することが可能ですが、当院では保管するにあたり1年毎の継続手続きが必要となります。精子の場合、初期凍結が半年間5,400円(税別)、その後1年毎の更新で10,800円(税別)が、胚の場合は凍結費用20,000円(税別)、その後1年毎の更新で20,000円(税別)がかかります。凍結の継続・破棄のお手続きをされる際には、継続依頼書または破棄処分依頼書をご提出して頂く必要がありますので、当院HPの書類ダウンロードのページ(https://www.haramedical.or.jp/documents/)よりダウンロードし、ご記入のうえご提出下さい。
また、凍結期限が近づきますと当院よりお知らせを、ご登録の住所に郵送させて頂きます。転居等によりご登録住所を変更された場合は、当院HPのお問い合わせページ内、住所・電話番号変更連絡フォームより変更して頂きますようお願いいたします。