子宮内膜再生増殖法 ERP

iPS細胞と同じく幹細胞を不妊治療に応用した、着床不全や早期流産を解決するための治療です。[特許出願2019-237671、先端医療推進機構倫理委員会承認済]

適応

  1. 良好胚盤胞を2回以上移植しても着床しない方
  2. 着床しても妊娠が続かず早期流産してしまう方
  3. 薬を使っても子宮内膜が厚くならない方

*先端医療推進機構倫理委員会の承認済み*

子宮内膜再生増殖法ERP
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子宮内膜増殖再生法ERPの効果

幹細胞培養上清液を子宮に注入することで

■サイトカインが上清液中に豊富に含まれているため、着床を促す。
■上清液成分が子宮内膜の再生を促す
■上清液に含まれる成長ホルモンが、着床後の受精卵の発育を促し流産を防止する。
患者さん

妊娠率、流産率はどのくらい改善されたのですか?

原先生

妊娠率は40歳以下の女性で18%増、流産率は40歳以下の女性で29%減、41~47歳女性で58%減という素晴らしい成績です。詳しくは資料をご覧ください。

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子宮内膜再生増殖法ERPは2種類 [月経血由来] と [臍帯由来]

月経血由来の流れ

① 本人の月経血を採取する。

② 分離作業を行い、中層部分に集まる幹細胞塊を抽出し、培養液の中で培養する。

③ 上澄みである幹細胞培養上清液だけを子宮に注入する。

臍帯由来の流れ

臍帯から抽出された「臍帯由来幹細胞」を培養した上清液を子宮に注入します。

患者さん

2種類の幹細胞のメリット・デメリットは?手順は?費用は?

原先生

それぞれの特徴、手順、費用は以下の「詳しい資料」の8ページで紹介しています。9ページのチャートを辿っていくと自分に適している方法が簡単にわかります。

子宮内膜再生増殖法ERP
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子宮内膜増殖再生法ERPの流れ

①月経1~3日目の月経量が多い日に来院

  1)月経血の採取:1分程度、痛みはありません。
  2)100CCの採血:幹細胞の培養時に使用するタンパク質成分をご自身の血液から精製するためです

②月経血から幹細胞を抽出し、30日間培養

③排卵の2~5日前に「サイトカイン、グロースファクターなどの有効成分を含む上清液」を子宮内に注入する

注入直後から内膜再生がはじまります。

費用

自己月経血由来子宮内膜再生増殖法

当院に凍結胚がある方、または、月経血採取日から過去1年以内に当院にて採卵もしくは胚移植をしている方は、価格表Aをご覧ください。そのほかの方は価格表Bをご覧ください。

価格表A

基本 [初回]幹細胞培養上清液の生成/3本
(月経血採取+100CC 採血)
¥450,000
幹細胞培養上清液の子宮注入 ¥50,000
希望時 検体中のIGF-1、IL-6含有量調査 ¥120,000
凍結幹細胞培養上清液の1年更新/1本 ¥15,000
[2回目~]幹細胞培養上清液の生成/3本(月経血の採取+100CC採血) ¥380,000

価格表B

基本 初診料 ¥2,820
[初回]幹細胞培養上清液の生成/3本
(月経血採取+100CC 採血)
¥550,000
幹細胞培養上清液の子宮注入 ¥60,000
初診時に1年以内に実施した感染症・甲状腺に関する11項目(①HBs抗原、②HCV抗体、③RPR、④TP抗体、⑤風疹HI抗体、⑥クラミジアlgG、⑦クラミジアlgA、⑧TSH、⑨FT4、⑩HIV、⑪HTLV-1抗体(PA))の検査結果をご持参ください。
書式は問いませんので、検査結果票や電子カルテの検査一覧の印刷でも結構です。
*1年以内の結果がない項目については1項目から当院にて検査ができます。すべて行った場合の費用は¥14,000です。
希望時 検体中のIGF-1、IL-6含有量調査 ¥120,000
凍結幹細胞培養上清液の1年更新/1本 ¥15,000
[2回目~]幹細胞培養上清液の生成/3本 ¥480,000

臍帯由来子宮内膜再生増殖法

幹細胞培養上清液の子宮注入 ¥80,000

子宮内膜再生増殖法ERPの実績

子宮内膜再生増殖法ERPには「1.自己月経血由来」と「2.臍帯由来」の2種類あります。

1.自己月経血由来の実績

  1. 妊娠率:同一患者において【自己月経血由来ERP注入周期(期間:2019年1月~2020年1月)】と【非注入周期(期間:2017年1月~2020年1月)】の4BC以上良好胚盤胞の凍結融解胚移植の妊娠率を比較したところ、注入周期において高い妊娠率が認められました

    年齢 自己月経血由来ERP注入周期の妊娠率 非注入周期の妊娠率
    32~40歳 32%(14/44) 14% (14/97)
    41~47歳 7% (3/45) 7% (11/151)

    *カッコ内は、分子:妊娠周期数、分母:4BC以上良好胚盤胞の凍結融解胚移植周期数
    *自己月経血由来ERP注入周期での妊娠最高年齢は45歳。2020年6月出産予定。

  2. 流産率:同一患者において【自己月経血由来ERP注入周期(期間:2019年1月~2020年1月)】と【非注入周期(期間:2017年1月~2020年1月)】の4BC以上良好胚盤胞の凍結融解胚移植の流産率を比較したところ、注入周期において流産率の低下が認められました。

    年齢 自己月経血由来ERP注入周期の流産率 非注入周期の妊娠率
    32~40歳 57%(8/14) 86% (12/14)
    41~47歳 33% (1/3) 91% (10/11)

    *カッコ内は、分子:流産周期数、分母:妊娠周期数

  3. 上記①②の対象患者データ
    2019年12月までに123名の方が自己月経血由来ERPのための月経血採取を実施しました。その123名の中で注入が2020年1月までに完了し、かつ、4BC以上良好胚盤胞の凍結融解胚移植をされた方、65名89周期を対象としています。この65名の方のこれまでの治療背景は次の通りです。

      対象者数 平均採卵回数 平均胚移植回数 平均妊娠回数 平均流産回数 平均出産回数
    32~34歳 2人 3.5回 7回 1回 1回 0回
    35~37歳 10人 5.9回 4.8回 0.7回 0.7回 0.1回
    38~40歳 19人 4.5回 3.4回 0.5回 0.5回 0.1回
    41~43歳 24人 9.9回 6.5回 0.6回 0.6回 0回
    44~50歳 10人 19.6回 8.4回 1.8回 1.6回 0.2回
    合計 65人          

    *不妊原因は該当が多い順に、高年齢、子宮筋腫、排卵障害、ポリープ、男性因子、原因不明、PCOS、卵管因子、黄体機能不全、子宮内膜症、子宮奇形、腺筋症、アッシャーマン症候群、子宮頚部上皮内癌円錐切除後、橋本病

  4. 自己月経血由来ERPのプロセス別実施数
    自己月経血由来ERPを行うためには、次の(1)~(4)のプロセスをすべて完了する必要があります。次にそれぞれのプロセス別実施数を表記します。

    (1) 月経血採取周期数:123
    月経血採取を試みた周期数です。年齢別周期数は、29~31歳:2、32~34歳:5、35~37歳:23、38~40歳:37、41~43歳:32、44~50歳:24

    (2) 月経血0.5CC以上採取周期数:103
    20周期において月経血が0.5CC以上採取できず中止となりました。年齢別中止周期数は32~34歳:3、35~37歳:3、38~40歳:6、41~43歳:4、44歳以上:4

    (3) 自己月経血由来幹細胞培養上清液生成周期数:95
    1回に3本の幹細胞培養上清液が生成できるため、95周期×3本=285本の生成。
    9周期においては幹細胞培養完了できなかったため幹細胞培養上清液の生成ができませんでした。原因は、カンジダなど膣内常在菌混入:4、採取月経血内幹細胞不足:2、採取月経血酸化:2、ラボ内作業時細菌汚染:1

    (4) 自己月経血由来幹細胞培養上清液注入周期:98
    285本の自己月経血由来幹細胞培養上清液のうち、注入されたのは98本・98周期(4BC以上良好胚盤胞の凍結融解胚移植周期89、それ以外の周期9)です。

2.臍帯由来の実績

現在準備中

FAQ

01~05まではパンフレットにも掲載しています。06以降は本サイトのみの掲載です。

01. 子宮内膜再生増殖法™(ERP)による副作用はありますか?

幹細胞培養上清液は生成の過程でごく少量の抗生物質を使用していますが、抗生物質は人工授精、胚移植、SEET法などに用いる培養液にも含まれているため、これらの治療経験がある方には副作用は起こらないと考えられます。また、その他に副作用を起こす要因はなく、非常に安全な治療法です。

02. 子宮内膜再生増殖法™(ERP)はどのような方におすすめですか?

主に次の3つの方におすすめしています。

  1. 質のよい胚盤胞を2回以上移植しても着床しない方
  2. 着床しても妊娠が続かず早期流産してしまう方
  3. 薬を使っても子宮内膜が厚くならない方

1. は着床する際に必要なサイトカインの量が、自身の子宮内膜から十分に分泌できていないことが原因の一つとして考えられます。2. は受精卵の栄養外胚葉と子宮内膜の融合過程において、胎盤形成が進まない場合にも起こります。3. は自身の子宮内膜基底層の幹細胞が減少しているため、薬を使っても反応が乏しいことが原因です。1. ~ 3. のいずれか、または複数が該当する方は、子宮内膜再生増殖法™(ERP)を行い、着床するために必要なサイトカイン群、妊娠継続に必要な成長ホルモンを補充しましょう。そして上清液の成分により自身の子宮内膜にある幹細胞を刺激することで、自身の子宮内膜機能を正常化させましょう

03. 幹細胞培養上清液は、「自己月経血由来」と「臍帯由来」のどちらがよいのでしょうか?

同一患者、同一胚での比較ができないため、より多くの年齢層において、かなりの数の臨床を積み重ねなければ結論は出せないと思われます。現時点で2つの比較を理論的に考えると、「自己月経血由来」の方が子宮内膜組織由来のため、内膜再生能力が高いのではないかと考えられています。しかし、この2つは幹細胞抽出のプロセスが全く異なるため、幹細胞培養上清液の生成までの期間と費用に大きな差があります。飛行機に例えると、「自己月経血由来はプライベートジェット」、「臍帯由来は一般の飛行便」。目的地に到着という意味では、2つに差がないかもしれません。パンフレット9ページのメリット・デメリットもよくお読みください

04. 自己月経血由来の幹細胞培養上清液を生成する際の「月経血の採取」は、採卵周期でもよいのですか?

はい。月経血の採取は、採卵周期・胚移植周期・タイミング人工授精周期、お休み周期のいずれの周期でも可能です。

05. 良好胚を移植する際に、子宮内膜再生増殖法™(ERP)を実施すれば、妊娠しますか?

妊娠するかどうかの一番の要因は、受精卵の質=受精卵の染色体異常の有無です。良好胚というのは見た目でつけているグレーディングのため実際の質とは異なり、グレードがAA であっても染色体が異常のケースもあります。このような場合には、ERPを実施しても継続的妊娠には至りません。しかし、逆に染色体異常が無いにも関わらず、着床しなかったり、着床しても早期流産してしまっている方も多くいらっしゃいます。そのような場合には、ERPがその原因となる部分を補完することで、継続的妊娠を促します

06. 子宮内膜再生増殖法ERP注入は胚移植周期の度に毎回実施した方がよいですか?

ベストな方法としては、胚移植の度に注入されることをお薦めします。
理論上の有効期間としては、①着床因子となるサイトカインは月経と一緒に排出されるので次の周期以降の効果はほとんどないと考えられます。②子宮内膜の再生能は論文等では100日とされており、当院では臨床的に内膜への変化は60日程度はあると考えています。③受精卵の着床を促進する成長ホルモンは、月経と一緒に排出されるので次の周期以降の効果はほとんどないと考えられます。
データを見ますと、注入をした周期で妊娠が成立しなかったり流産した場合において、その翌周期と翌々周期に注入をせずに胚移植・タイミング・人工授精を行った場合に妊娠がでています。このことから、注入から3周期後までは少なからず効果は続いているものと考えられます。

07. 1周期に2回子宮内膜再生増殖法ERPの注入をすることはできますか?

1周期に1回の注入をする方が大半ですが、ご状態によっては2回まで注入を行っていますのでご希望の方は医師にご相談ください。

08. 子宮内膜再生増殖法ERPをして胚移植をする際に、併用可能なオプショナルであるSEET法・スクラッチ・GM-CSF含有培養液・ヒアルロン酸培養液も同時に実施することで妊娠率はどのくらい上がりますか?

それぞれにおける実施群と未実施群の比較に加えて、複数の組み合わせでの比較も必要になるため、現在症例データの蓄積中です。充分な症例数を実施した際に検討を行います。

09. 子宮内膜再生増殖法ERPは、凍結胚盤胞移植の周期だけでなく、タイミング療法や人工授精の周期、また、凍結初期胚移植の周期でもできますか?

はい、新鮮胚移植の周期以外どの周期でも実施できます。ただ、タイミング・人工授精・凍結初期胚移植は不妊治療の種類の中では妊娠率は高くありませんのでその点をご理解の上で実施してください。

10. 子宮内膜再生増殖法ERPは、他のクリニックではできませんか?

子宮内膜再生増殖法ERPは、特許出願をしている治療であり現時点では、はらメディカルクリニックでのみ実施していますが、臍帯由来については2021年以降、研究会の所属施設でも実施可能になります。所属施設のご案内は2020年秋頃を予定しています。

培養細胞の同定

表1:培養細胞の間葉系幹細胞(MSC)マーカー測定結果

MSCマーカー CD90 CD105 CD73 CD34 CD45 CD11b CD14 CD79a HLA-DR
陽性率(%) 97.9 ± 2.3 79.1 ± 11.1 99.6 ± 0.6 0.1 ± 0.1 0.6 ± 0.4 0.0 ± 0.1 0.0 ± 0.0 0.0 ± 0.0 0.0 ± 0.1

■間葉系幹細胞で陽性とされるマーカー(CD90, CD105, CD73)が高い陽性率
■陰性とされるマーカー(その他)は低い値

間葉系幹細胞である

表2:その他の細胞マーカーの測定結果

細胞マーカー CD31 CD117 CD146
陽性率(%) 0.0 ± 0.1 0.0 ± 0.1 84.7 ± 7.4

■子宮内膜前駆細胞で特異的に発現するマーカーであるCD146の陽性率が高い

間間葉系幹細胞の中でも子宮内膜前駆細胞に近い細胞
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