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お知らせ

9/1より着床前診断PGTの要件が緩和されますNo.144

●着床前診断PGTとは
胚移植不成功や流産の原因は、移植した受精卵の染色体異常である可能性が高いと考えられます。染色体とは遺伝情報がつまったDNAの集合体です。染色体本数が46本ある受精卵が正常です。しかし、老化やそれ以外の原因により、染色体数が46本ではない受精卵があるため、受精卵の染色体数を調べてから移植胚を選択するための検査が着床前診断PGTです。

●新見解
着床前診断PGTは日本産科婦人科学会認可のもと、これまでは臨床研究として行われてきましたが9月1日から臨床になり(研究ではなくなります)要件が緩和される新見解にて行われます。

新見解1:対象者が広がる
胚移植不成功においては、これまでは直近連続2回以上不成功の場合のみ対象でしたが、新見解では過去2回以上不成功がある人はPGTができます。また、流産2回以上の人がPGTする場合には、これまでは「抗リン脂質抗体症候群」「子宮形態異常」の方は適用外でしたが新見解では適用可能になります。

新見解2:2個胚移植も一部可能
これまでPGT胚は1個胚移植しか認められていませんでしたが2個胚移植も可能になります。ただし、当院では多胎を回避するためにA/B判定胚は1個移植までとします。C/D判定胚は医師との相談により2個胚移植が可能です。

新見解3:既に凍結している胚盤胞へのPGTも可能
PGTはその検査をすることにより胚へのダメージが生じることから、凍結胚にそれを行うとよりダメージが大きくなることが懸念されるので、新鮮胚に行うことが望ましいです。しかし、新しい胚盤胞を得ることが難しい方や既に複数の凍結胚盤胞がある場合には凍結胚へのPGTを望む方がいらっしゃると思います。その場合は、凍結胚のPGTは新鮮胚のPGTに比べて妊娠継続率が下がることを理解した上で(Wildingらの研究においては、新鮮胚群のPGT-A臨床妊娠率は61.5%、凍結胚盤胞群のPGT-A臨床妊娠率は52.4%)凍結胚盤胞へのPGTも可能です。

**保険で凍結した胚にも自費PGTがきるのか?
厚生労働省はこの件について書面において何ら通達をしていません。そのため、医療機関によってこの方針は様々になる可能性が高いです。しかし、当院はこれまでに2度、厚生労働省保険局医療課との面談を行っており、その際に本件についても確認をしています。厚生労働省の回答は、「採卵から1回目胚移植までは必ずセットなので保険で行うこと。しかし、当該採卵において2回目以降の胚移植からは、自費診療でなくてはできない治療が必要であると医師が判断する場合は自費への切り替えが可能である」ということでした。このやりとりから、当院では保険で凍結した胚であっても、その採卵において2回目以降の胚移植は、医師が必要と判断する場合に限りPGTを行います。PGTが計画されるとそれに関わる一連の診療はその時点から自費になります。ただし、今後、厚生労働省から本件に関係する新たな方針が発表された場合にはその指示に従い、この限りではありません。

新見解4:PGTまでの流れが変わる
これまでは、当院独自の説明動画を視聴してからPGTをしていましたが9月1日以降は日本産科婦人科学会作成の動画を視聴しチェックリストを提出してからの実施となります。

●具体的な今後の流れ
今後必須となる日本産科婦人科学会の動画とチェックリストの準備は8月30日になるそうなので、本日具体的なフローをお示しできません。具体的なフローは9月1日に改めてメール配信します。
①これからPGTを検討する方(凍結胚のPGT検討含む)は、9月1日配信のフローを確認してください。
②既にPGTを予定し採卵周期に入っている方であっても、採卵日(PGTする日)が9月1日以降の方は新見解での実施になるため日本産科婦人科学会作成の動画・チェックリスト・新見解の同意書の提出が必要になりますので9月1日配信のフローを確認してください。
③既にPGTをした胚を凍結しておりその移植が9月1日以降になる方は、新見解での胚移植になるため、新見解の同意書の提出が必要です。9月1日配信のフローを確認してください。

以上です。新見解におけるPGTに関するお問い合わせは9月1日のメール配信をご確認いただいてからお願いします。

(2022年8月28日)

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