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【重要】LHサージ製剤(トリガー)の出荷停止をうけて

不妊治療薬の不足に関するご連絡は今回で3回目です。
●過去2回お伝えしたのは「排卵誘発剤」と「黄体補充剤」の不足についてです。現在、当院はこれらについては必要数を確保できています。

●今回は「LHサージ製剤(トリガー)」の出荷停止についてです。LHサージ製剤(トリガー)とは、タイミング・人工授精・採卵周期で排卵誘発により卵胞が発育した後、卵胞を成熟させ排卵を促す目的で使用する注射や点鼻薬のことです。

目次
1.オビドレルが出荷停止
2.他のLHサージ製剤は出荷制限へ
3.当院のLHサージ製剤ストック状況と見通し
4.タイミング人工授精はLHサージ製剤を使用しない方法を優先

1.オビドレルが出荷停止
自己注射キットのオビドレルが出荷停止になったという連絡が本日入りました。なお、出荷停止の理由説明は省略しますが、薬剤自体に問題があったわけではありませんのでお手持ち分は使用できます。また、当院がストックしているオビドレルも使用可能です。

2.他のLHサージ製剤は出荷制限へ
LHサージ製剤の中でシェアの高いオビドレルが出荷停止になったことで、他のLHサージ製剤は本日より出荷制限になりました。出荷制限とはメーカーが各医療機関に納品する薬品数を割り当てるという安定供給を目的とした流通方法です。希望による購入はできなくなります。

3.当院のLHサージ製剤のストック状況と見通し
当院は薬剤を多めにストックしておりLHサージ製剤も数カ月分はあります。しかし、オビドレルの出荷停止はメーカー予想で約1年間続くだろうということですので、数か月後には薬剤不足になる可能性があり、以下4の措置を行います。

4.タイミング人工授精(AID除く)はLHサージ製剤を使用しない方法を優先
採卵周期の卵胞はLHサージの方法や量で質が左右されます。LHサージは良好胚盤胞を形成する上で非常に重要です。一方で、タイミング人工授精は発育卵胞数が少なく内因性の(自分から分泌する)LHでも成熟と排卵が見込めます。そこで、当面の間、タイミング人工授精はLHサージ製剤を使用しない方法を優先します。

・排卵状態は個々に異なりますので治療法は診察にてご説明します。
・排卵誘発剤の中でクロミッドは排卵抑制作用が強いため、LHサージ製剤を使用できない周期ではクロミッドの処方は原則行いません。
・フェマーラや他の排卵誘発剤の排卵抑制作用は弱いのでこれまで通り使用します。
・LHサージ製剤の中には注射の他に点鼻薬もありますが、タイミング人工授精の保険診療では点鼻薬が認められていません。使用する場合は自費になり周期全体も自費になります。
・AIDは自費なので点鼻薬の使用が可能です。

上記については診察の中で医師よりお伝えします。

不妊治療の保険適用となった2022年4月以降、需要増による薬剤不足/戦争の流通経路分断による薬剤不足/そして、薬剤管理不備による出荷停止と続き、不妊治療薬の供給が安定しません。しかし、その環境の中で最善を尽くしていきます。どうぞ皆様ご迷惑をおかけしますがご理解をお願いいたします。

(2023年1月11日)

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