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採卵10個以上の料金設定、ペンタイプ注射(ゴナールエフ)の値下げ、最新治療法の臨床研究開始予告No.170

このお知らせは、自費で治療を受けている方が対象です。
・自費で体外受精をしている方
・IVF-Dの方
・卵子凍結の方

【1】自費:採卵10個以上の新料金設定
【2】自費:ペンタイプ注射(ゴナールエフ)の値下げ
【3】最新治療法の臨床研究開始予告

【1】自費:採卵10個以上の新料金設定
自費の採卵料金は、取れた卵子の数により異なります。来年1月より、卵子11個以上に対して新しい料金設定を導入します。

<自費採卵料金(税込)>
卵子1~2個 140,250円(従来)
卵子3~5個 176,000円(従来)
卵子6~10個 202,400円(従来)
卵子11~20個 228,800円(新設)
卵子21~30個 255,200円(新設)
卵子31個以上 281,600円(新設)

【2】自費:ペンタイプ注射(ゴナールエフ)の値下げ
排卵誘発の注射には、医療者向けのバイアルタイプと、患者向けのペンタイプがあります。ペンタイプは便利ながらも高額でしたが、メーカーへの価格交渉ができたため、11月1日より値下げして提供させていただきます。

▼ペンタイプ新料金(税込)
300単位 12,886円
450単位 19,120円
900単位 33,148円

▼バイアル料金(税込)
※バイアル料金に変更はありません。これは通院して当院で注射、あるいは他の医療機関で注射、また、自分で行う場合は操作が複雑なため自己注射練習が必要です。
300単位 7,430円
450単位 11,140円
900単位 22,290円

例: 高刺激で1日300単位×8日間=合計2400単位の場合
ペンタイプ:92,068円
バイアル:59,440円

両方とも薬剤の中身は同じです。ペンタイプは、細い針で痛みが少なく、自己注射が簡単で、通院不要です。ライフスタイルに合わせて選択してください。

【3】最新治療法の臨床研究開始予告
2024年1月から、2つの新しい治療法を臨床研究として自費治療にて開始します。 詳細は12月にお知らせします。

●AMH2未満を対象としたG-CSF投与
(AMHとは?)
女性の卵子の残りの量を示す指標です。本治療はAMH2未満の方が対象です。これまでの見解として、AMHの低下を止める治療は基本的に存在しないと考えられてきました。

(新しい治療法)
AMH2未満の症例で、採卵周期前の2周期、G-CSFを投与します。
・AMHの上昇
・受精率、胚盤胞率、着床率、妊娠率の上昇
・生児には、先天異常はなく、群間の出生児体重、出生週数、アプガースコアには差を認めない
という報告がありました。
(論文:Masao Jinno, et al. Reprod Biol Endocrinol. 2023 Mar 21;21(1):29. doi: 10.1186/s12958-023-01082-w.)

(G-CSFとは?)
G-CSF (Granulocyte-Colony Stimulating Factor)は、抗がん剤後、患者の白血球数を増やすために使用されます。G-CSFは細胞のアポトーシス(細胞の自然死)、炎症、血管障害、酸化ストレスを抑制するとされており、生殖分野にも応用されはじめました。なお、GM-CSFとは別です。

(臨床研究として1月開始)
まだ国内での実施例が少ないため、当院では臨床研究として実施します。詳細は12月のお知らせをお待ちください。これまで卵巣内で卵のセレクトが起こる前に可能な医学的アプローチは基本的にありませんでした。本方法はコストが安く、注射のみのため患者さんへの負担も少なく、考えられる副作用も少ないため、結果に繋がるようであれば非常に有効な方法だと思います。

●分割不良症例を対象とした透明帯除去法
(透明帯とは?)
卵子の周りの膜です。ニワトリの卵でいうところの殻の部分だと思ってください。

(分割不良症例)
受精後の胚が胚盤胞にならず、発生を停止してしまう原因にはいくつかの要因があります。要因の多くは、卵子の染色体異常(加齢要因)ですが、「細胞質が透明帯に癒着していることが原因」という症例があります。この症例においては、胚の質には問題がないにも関わらず、細胞が透明帯とくっついているという物理的な理由により、胚分割時に多くのフラグメンテーションを発生させてしまいます。その結果、細胞質の大部分が失われ、その後の胚分割が阻害されてしまいます。

(透明帯除去法)
透明帯除去法は、鳥取県のミオファティリティ―クリニックで数年前にはじまった研究です。当初は、胚と透明帯の癒着部位を「剥がす」ことからはじまりましたが、再癒着などにより効果がでにくいことから、現在は、完全に透明帯を除去する方法になりました。透明帯がなくても、胚は分割を進め胚盤胞になります。既に20人以上の健康な赤ちゃんが誕生しています。
▼ミオファティリティ―クリニックのページ
https://www.mfc.or.jp/archives/column/%E9%9B%A3%E6%B2%BB%E6%80%A7%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E7%97%87%E4%BE%8B%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B0%E3%81%9F%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95%EF%BC%88%E9%80%8F%E6%98%8E%E5%B8%AF%E9%99%A4/

(透明帯除去法の参考論文:Watson K, Korman I, Liu Y, Zander-Fox D. Live birth in a complete zona-free patient: a case report. J Assist Reprod Genet. 2021 May;38(5):1109-1113. doi: 10.1007/s10815-021-02114-3. Epub 2021 Feb 24. PMID: 33629177; PMCID: PMC8190226.)

(臨床研究として1月開始)
分割不良を引き起こす症例に焦点を当て、1月より臨床研究として開始します。詳しいお知らせは12月までお待ちください。

(2023年10月30日)

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