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メールマガジン

D配信#26:【既読確認あり】AID・IVF-Dに対する当院の考えとその確認

本メールの対象は、
①現在治療中の夫婦
②これから治療する夫婦
③2022年1月以降の治療で妊娠・子育て中の夫婦
です。

■既読確認があります■
■必ず最後までお読みください■

先日お伝えしたとおり、ガイドライン違反に伴い、現在は新規のAID・IVF-Dを一時停止しています。当初は一時停止期間を2ヵ月と考えていましたが、調査、再発防止策の検討、ガイドラインの改訂に加えて、日本産科婦人科学会へのガイドライン違反の報告も必要と考えており、4ヶ月程度の時間が必要と思われます。一時停止期間が長期化することをお詫び申し上げます。

ガイドライン改定後は、新規のAID・IVF-D患者様に限らず、治療をする全ての患者様が新たな同意書、調査票などの提出が必要になります。それに加え、ガイドライン改定後に「精子提供の生殖補助医療とは」という基本的な部分を確認し直すと時間がかかりすぎるため、それに関しては本メールで確認させていただきます。そのため、本メールは既読確認フォームが最下部にございますので、必ずご夫婦で最後までお読みいただき、フォーム入力をお願いいたします。

【1】ガイドライン違反について
具体的な違反内容については非常にセンシティブな個人情報を含むため開示できませんが、患者様家族との面談によりこの違反は故意で行われていたことが分かりました。

【2】 生命倫理への考え方
すべての生殖補助医療は、人格と権利を持つ子どもが新しく生み出される重大な医療行為です。その過程では、生命倫理という重要な観念が関わってきます。技術的に可能なことのすべてが、臨床的に行って良いことではありません。その規範を作るものが生命倫理です。生命倫理は国や識者によっても異なる部分はありますが、日本では生殖補助医療において、死後生殖、優勢思想、商業主義は排除されるべきと考えらえています。当院もこれに準じて実施しておりますのでこの大原則を正しくご理解ください。

【3】夫婦だけの治療ではないこと
この治療はご夫婦間で完結するものではなく、「ドナーという善意の第三者」、「医療者」がいて、それぞれの信頼関係の上に初めて成り立つものです。そしてこの治療により、「人格と権利を持つ子ども」が新しく生み出されます。この事実と重みをもう一度、関わるすべての皆様に考えていただきたいと思います。

【4】精子提供の医療の特性
「なぜ精子提供の医療だけが色々と言われなければならないのか」と思ったことはありませんか。人はだれしも、自分の『出自』を知る権利があり、出自を知ることは人格形成に大きな影響を与えます。精子提供の医療から生まれたこと、そのものが悪影響を与えるわけではありませんが、子どもたちは生まれる時点から複雑性を持つ特性があります。この点が配偶者間の治療と異なる要素です。重要なのは、夫婦がこの治療の特性を理解し、準備をし、治療に真剣に向き合う意欲を持つことです。そのため、AIDやIVF-Dを行う夫婦には、多くの準備が求められる仕組みがあります。

【5】夫婦関係と健康
精子提供の医療で生まれた子どもの親は、この治療に同意をした夫婦となります。提供者は法律的にも親ではなく、扶養の義務も持ちません。そのためこの治療に同意した夫婦が、本治療中に離婚、または死別した際はただちにこの治療を中止する必要がありますので速やかに当院までご連絡ください。また、夫婦の健康状態は子どもの福祉に影響しますので夫婦の健康に大きな影響を与える病気やケガがあった際には必ず当院にご連絡ください。

【6】夫婦の真意と当院の方針
各夫婦には自己の幸福を追求する権利があります。そのため、各夫婦の考え方は自由であり、それは誰も否定することはできません。そのため、問題となるのは、各夫婦の考え方が当院の方針と異なるにも関わらず、同意を装って当院で治療を受けている場合です。
夫婦の真意は当院の方針と一致していますか? 同意書の内容を完全に理解し、納得していますか? 子どもの福祉を最優先するという当院の方針が「正解」であるとは限りません。当院は告知義務を設けていますが、告知を避けたいと考えるご夫婦の信念を変えたいというものではありません。もう一度、当院の同意書を確認し、各夫婦の真意が当院の方針と一致しているかどうかを確認していただけますようお願いいたします。

▼精子提供による生殖補助医療の同意書
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/12/p_ConsentForm_d.pdf

なお、精子提供の医療には医療機関の応酬義務はありません。医療費を支払えば誰でも受けられる治療ではないこともご認識ください。

【7】夫婦の考えと当院の方針が不一致の場合
ご夫婦の価値観は一日で作られるものではなく、これまでの人生で築かれてきたものですので、ご夫婦の考えは治療においても尊重されるべきです。一方で、当院の方針は子どもの福祉の優先であり、告知が必須となります。よって、告知をしない方針のご夫婦や、子どもの福祉に対する考えが当院と異なるご夫婦は、その価値観を曲げずに治療を受けられる医療機関を選択することが大切だと思います。患者さん自身の心理的負担を軽減できます。

日本産科婦人科学会のウェブサイトでは、全国の精子提供が可能な施設を検索できます。ページ下部の「提供精子を用いた人工授精に関する登録施設」だけにチェックを入れて検索してください。

https://www.jsog.or.jp/facility_program/search_facility.php

登録施設でも、実際には稼働していない場合や初診を受け付けていない場合がありますが、当院以外に都内で初診を受け付けている施設は複数あります。詳細については、各施設に直接お問い合わせください。ご転院される際には紹介状をご用意いたしますので、受付にご連絡ください。

【8】告知の支援
告知をした方が良いと思うけれども、具体的な方法がわからない場合はお気軽にご相談ください。告知は本来、『血のつながりがないこと』を伝えることではなく、大好きで大切な子どもとご夫婦が出会うまでの物語を伝えることだと思います。告知が遅れてしまい、子どもの方が自然に『血のつながりがあるのが親だ』と考えた後だと、告知の内容は『血のつながりがないこと』を伝えることになってしまします。だからこそ小さな頃からの告知が必要だと考えています。

告知のお手伝いが必要な場合は、カウンセリングをご予約ください。費用は70分3850円です。「戸田先生」の予約枠でご予約ください。対面でもオンラインでも可能です。

また、現在妊娠中の夫婦や、3歳以下の子どもの子育てをしているご夫婦は、ぜひ8月20日に開催される第一回当事者家族の会にご参加ください。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScf9QQhcnFMS5pdJ-nwVvzczK1sM5DcGGDAb3TrkxHZY1Vetw/viewform?usp=sf_link

【9】信頼関係
一人でもガイドライン違反がありますと、当院は調査と是正のために治療を停止せざるを得なくなり、多くの患者様にご迷惑をかけることになります。また、患者様と医師や当院との信頼関係を大きく損ねることになります。どうぞこの点をご理解いただけますようお願いいたします。

【10】最後に
当院の方針を十分理解し、子どもの福祉を最優先したいからこそ当院を選んでくださっているご夫婦、近くにAID施設があるにもかかわらず当院で治療するため遠方からご通院いただいているご夫婦を思うと、このようなお話しを今更改めてしなければいけないこと自体、大変心苦しく思っております。そして、年齢制限や時間との闘いでもある不妊治療にも関わらず、新規AID・IVF-Dの一次停止期間の延長は大変申し訳ないことでございます。

当院は改めてこの治療の持つ難しさに直面しています。これからも精子提供の生殖補助医療を続けるために再発を防止できるガイドラインに改訂してまいります。再開後はスムーズな運営ができるように努力いたします。そして、当院と志を同じくする患者様と、オープンで嘘のない家族をつくるために、子どもが生まれた後も長期的に関わらせていただきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

【11】既読確認フォームの入力
本メールを最後までお読みいただきありがとうございます。お読みいただいたことを確認するために、お手数ですが以下のフォームにご入力をお願いします。妻と夫がそれぞれにフォーム入力をお願いします。また、フォーム内には「ご意見」の設問もございます。皆様のご意見を今後のガイドライン改定の参考にさせていただきたいと思いますのでぜひご意見をお寄せください。

▼既読確認フォーム
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeDyNl5lQsxNXr4g7dE0o96rzHALVUDlq_enDSDnbVRj4sNqA/viewform?usp=sf_link

既読確認期間は7月8日(土)までです。

質問や相談につきましてはお電話にてお願いします。

(2023年6月18日)

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