【PGT-A】の対象が拡大 No.193
このたび、日本産科婦人科学会より、PGT-A(受精卵の染色体を調べる検査)の実施条件が改定されました。
これまでは「胚移植の不成功が2回以上」または「流死産が2回以上」のご夫婦が対象でしたが、新たに【女性が35歳以上のご夫婦】も加わり、対象範囲が拡大されました。
■PGT-Aの検討について
・PGT-Aって何?
・どう検討するの?
・相談したい
・費用は?
・よくある質問
上記の内容をまとめた資料を作成しました。ぜひご覧ください。
https://www.haramedical.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2022/02/PGTconsultation.pdf
■なぜ対象者が拡大されたのか?
昨今の研究では、PGT-Aの有効性は、女性の年齢によって異なることが報告されています。高年齢の女性では、PGT-Aを行うことで妊娠・出産の可能性が高まる一方で、体外受精胚移植の不成功や流産歴に関係なくPGT-Aを実施した場合、年齢が若い方では出生率が低下していることが示されています。現時点の論文では、その境界が35歳程度です。
このため、体外受精の不成功や流産の回数に関係なく、35歳以上の方はPGT-Aを実施できるように対象が拡大されました。ただし、検査にはメリットとデメリットがあるため、実施にあたっては十分に理解・検討したうえで判断することが大切です。
(引用:日本産科婦人科学会「不妊症および不育症を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)に関する細則」の改定についてより抜粋・一部編集)
その他:ネオセルフ抗体検査について
着床不全の検査の1つで、抗β2グリコプロテインIネオセルフ抗体を調べる「ネオセルフ抗体検査」が先進医療になりました。各自治体の先進医療助成や、民間保険の給付金対象になる場合があります。なお、当院における検査実績では、陽性率は3.8%と高くはありません。実施については医師とご相談ください。
(2025年10月12日)