記事・コラム
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2011.04.15
受精障害について
桜の季節もいつしか過ぎ、葉桜の季節となりました。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか? 今回、培養部は生命の誕生である「受精」がうまく起こらない「受精障害」について 考えられる原因及びその治療法についてお話したいと思います。 通常自然では膣内に射精された精子は卵子に向かってすすんでいき、卵管膨大部という場所で、1匹の精子が卵子の中へ侵入し、受精がおこります。 受精障害とは、精子が十分にいるにもかかわらずこの受精が起こらないことをいいます。 受精障害の原因としては、卵子に問題がある場合、精子に問題がある場合、両方に問題がある場合の3つが考えられます。 まず、卵子に問題があった場合、原因は次のように考えられます。 1.卵子の殻の部分である透明帯が固かったり、厚かったりし、精子がくっつけない場合、精子が卵子の透明帯を通過できず、受精することができなくなってしまう。 2.精子が透明帯を通過後に、精子の持つ因子が卵子内に放出されると卵子が活性化し、受精が起こりますが、その活性化が起こっていない。 3.採取できた卵子が未熟で、卵子自体に受精する能力がなく、受精できない。 次に精子に問題があった場合です。 4.精子の機能的な問題により、卵子の殻の部分である透明帯にくっつけなかったり、透明帯を通過できず受精が起こらない。 5.精子が透明帯を通過後に、精子が卵子を活性化する因子をうまく放出できなかったり、その因子がない等で卵を活性化できず受精が起こらない。 この障害を打破する方法として、原因が1及び4の場合は顕微授精を実施するという方法があり、原因が2及び5の場合は卵子を活性化させるという方法があります。 精子が透明帯を通過できない場合は、顕微授精で確実に精子を卵子に注入することにより、受精を起こすことができます。 卵子が活性化しない場合は、顕微授精により卵子に精子を注入した後で電気刺激やカルシウムイオノフォアという方法で活性化を誘起させることで、受精させることができます。 原因が3の場合に関しては、今回とは異なる誘発方法に変えたり、エコーでの観察回数を増やしてもらうことにより、成熟卵の数を増やし受精卵を獲得できる可能性を高める事ができます。 受精障害は、一度の体外受精で判断がつかず難しい症例ではありますが、きちんと選択肢を提示させていただき、最善の方法をとらせていただ
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2011.02.18
胚盤胞の着床
こんにちは。 今週は東京でも大雪になるほどの寒さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。 本日は培養部が担当させていただきます。 今回は胚移植のタイミングについてお話ししたいと思います。 通常、胚移植は胚の発育と着床のタイミングを合わせて行います。 胚は順調に分割が進めば受精後2日目に2~4細胞、3日目に8細胞、4日目に桑実胚、そして5日目に胚盤胞になります。このように順調に分割が進むのが理想です。 そして胚盤胞は、約1日かけて透明帯と呼ばれる殻を脱出し(ハッチング)、子宮内膜に接着、着床がおこります。 また、子宮内膜はエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの影響により胚を受け入れやすい状態に変化します。この妊娠可能な期間をインプランテーションウィンドウと呼び、排卵後5~7日目と限定されています。この期間に胚盤胞が内膜に着床し、妊娠が起こります。 このため着床する為に必要な胚と子宮内膜のタイミングを合わせるためには受精後7日目頃にハッチングした胚盤胞が子宮内にいないといけないということです。 ではもし、5日目で移植する場合、成長のスピードが遅い、または止まってしまっている胚を移植しても妊娠の可能性はあるのでしょうか? 通常、受精後5日目で胚盤胞に到達しますが、その時桑実胚の場合、成長のスピードが遅れていることになりますが、妊娠の可能性は十分にあります。 しかし、5日目で分割期胚だった場合は発育が停止していると考えられるため、妊娠する可能性はほとんどありません。このようなことから基本的に当院では受精後5日目での移植の場合、桑実期胚以上に成長している胚しか移植を行っておりません。 発育が止まってしまって移植ができないことはつらいことですが、胚の発育と着床のタイミングを合わせるために、移植を断念することも時には必要となることをご了承ください。
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2010.11.12
精子のご持参と院内採取について
こんにちは。 今回のコラム担当は、培養部です。 皆様よりよく聞かれる質問の中に、精液の採取は院内での採取の方が良いのでしょうか? という質問があります。 当院での統計では、院内採取と自宅採取での体外受精における受精率や胚盤胞到達率には全く差は出ておりませんし、人工授精での妊娠率にも有意差は認められません。 このことより培養部では、自宅採精でも全く問題ないとお話しております。 ただし、採取してからクリニックに持参するまでに5時間以上経過してしまう場合は、精子の運動率の低下や、雑菌が繁殖してしまう恐れがありますので、その場合は、院内での採取をお勧めいたします。 可能であれば、採取後2~3時間でクリニックにご持参いただくのが良いかと思います。 精液をご持参して頂く際には、冷やしたりせずにそのままお持ちください。 また、当院でお渡ししている精子のダメージを和らげるための培養液を、精液に入れ忘れたと心配される方がいらっしゃいますが、入れ忘れたとしても特に問題はございません。 院内採取において注意が必要なのは、ご主人が繊細な方の場合、いつもと違う場所で採取すると、緊張のせいか、なかなか採取ができなかったり、精子数の減少や運動率が低下するなど、状態が悪くなってしまう方もいらっしゃいます。 院内採取が良い、ということはありませんので、ご夫婦で相談の上どちらにするかお決めください。