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不妊治療の薬不足に伴う臨時的な対応 No.149(はらメディカルクリニック)

今年5月頃から、不妊治療の薬は不足が続いています。原因は次の通りです。
・保険化による患者数の大幅増加
・薬の原料や製造は海外がメインであり、コロナにより製造や流通が定期的に止まってしまうこと。また、最近はロシア・ウクライナ戦争により、空路海路共に制限され、流通が非常に滞っていることも大きな原因だそうです

■今後は臨時的な対応へ
先月から、いよいよ薬の納品は発注数を下回り納品されています。今週から0納品の日もあります。
今後は今ある在庫を使用しながらの調整になりますので、その時々の状況に応じて医師が判断いたします。「前回と違う」ということが増えますのでご了承ください。
明日以降、以下の運用となります。

【人工授精周期】
・膣坐薬の使用は制限します。既に周期内で使用中の場合は継続します。

【体外受精の胚移植周期】
・黄体補充は、その時々の在庫状況に応じて個々に判断します。これまでと同じ方法とは限りません。
・周期内で坐薬の種類が変更になる可能性があります。
・坐薬の処方回数を複数回に分ける可能性があります。

【体外受精の採卵周期】
・排卵誘発剤の種類や、同じ誘発剤でも単位量によって在庫状況にバラつきがあります。保険の場合はなるべく自己注射が簡単な自己注射専用キットを優先したいのですが、在庫がない場合は別の薬剤になる可能性があります。

■薬品を買い溜めできない日本のルール
日本では、医療機関は薬を直接製薬メーカーから購入することはできず、医薬品卸売業者を経て購入する決まりがあります。
これは、経済力のある医療機関による薬の買い溜めなどを防ぎ、公益性を守るためです。
ただ、当院は開業が古く各製薬メーカーとの付き合いが長いため多少の優遇を受けることができ、これまでは大きな影響は受けずに診療することができました。
しかし、今後は影響が出る見込みです。

■薬不足はいつまで続くの?
不足している原因は患者数の増加だけでなく、世界の情勢が関係しているため各社全く見通しがつかないという回答です(本日現在)。
ただ、各社流通の見直しはしており、希望的観測ではありますが年明けには不妊治療薬を日本に集中させたいということです。
この状況は少なくとも12月、1月、2月までは続きそうです。

(2022年10月28日)

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