受精

検査・治療

体外受精4つの受精方法とは

体外受精には大別して4つの受精方法があります。それぞれの方法にメリットとデメリットがあります。 受精方法の決定は採卵日当日の採取卵と精子の所見を観察した上で当院の胚培養士と患者様との相談により終決定されます。

コンベンショナルIVF

採卵後、前培養した卵子を媒精用のディッシュに移し、そこに濃度調製後の精子を加える方法。自然受精と同じ状態を体外で作り出す方法。

メリット
  • 自然受精が可能
  • 費用は他の方法と比較し安価である
デメリット
  • 受精障害の場合、受精率低下
  • 形態的な精子選別は不可能
  • 多精子受精が起こってしまう(約5%)

顕微授精(ICSI)

精子の状態や採取卵の状態より、事前に受精障害が予測される場合に選択する方法。 また、精巣精子回収術(TESE)によって回収された精子は必ずこの顕微授精(ICSI)が選択される。 方法としては、採卵後に前培養した卵子にICSI前処理を施し、400倍の顕微鏡下で不動化処理を行った精子を特殊なピペット(針)を用いて卵子に1匹注入する。

メリット
  • 精子所見不良でも受精可能
  • 形態的な精子選別が可能
デメリット
  • 針を刺すことでの卵子へのストレス

レスキューICSI

最初にコンベンショナルIVFで媒精する。その後4~6時間経過観察し受精の兆候が認められない卵子だけをディッシュから抜き出しICSIする方法。

メリット
  • コンベンショナルIVFで受精しなかった卵子でもICSIにより受精する可能性を高められる
  • 最初からICSIを選択することに抵抗がある場合は有効な方法
デメリット
  • 人為的な多精子受精が起こる可能性がある(約2%)
  • コンベンションIVF後に実施するため、時間的に遅くなり発育が少し遅れる可能性がある

ICSI後受精障害の場合

ICSIが確実に遂行された卵子は活性化(第2減数分裂の再開)を惹起されて通常は順調に受精が進む。 しかし中にはICSIを行っても卵活性化が認められない症例がある。このような場合に人為的卵活性化法である「カルシウムイオノフォア」を取り入れる場合がある。 カルシウムイオノフォア処理法とは強制的に細胞外のカルシウムイオンを細胞内へ拡散させ[Ca²⁺]iを上昇させる。 効果についてはまだ一定しないがICSIでも受精しない場合には今後期待できる応用方法である。

スプリット(ICSI)

1回の採卵で採取された卵子を2つのグループに別け、コンベンショナルIVFと顕微授精(ICSI)の両方で受精を試みる方法。

メリット

  • 精子や卵子の所見でコンベンショナルIVFにするか顕微授精(ICSI)にするか決めかねる場合にリスクを軽減して確実に受精卵を獲得できる。
  • デメリット
    • 採卵数が多くないとIVFとICSIの両方を試すことができない