培養

検査・治療

採卵後、受精した胚(受精卵)は分割を進めながら発育します。 その発育環境を調整するのが培養です。当院では培養法にマイクロドロップ法を使用しています。 これはautocrine(自分に対しての相互作用)とparacrine(胚同市の相互作用)の効果を最大限に取り入れられる方法です。 培養は胚培養士が担当し、全員哺乳動物卵子学会認定生殖補助医療胚培養士認定者です。

胚(受精卵)の培養状況を確認する方法は4通りあります。(重複可)

  • 医師から説明を受ける…再診予約をお取りください。
  • スタッフから説明を受ける…IVFふり返り相談をご予約ください。1採卵1回30分無料です。
  • メール報告を希望する患 者様には培養状況をメール配信しています。
    メールは採卵翌日、採卵から3日後、採卵から6日後の3回行います。
  • タイムラプスエンブリオモニタリングシステムにて胚の発育過程を動画で観察。

培養の流れ

Day0採卵・受精

採卵したての卵の所見

GV卵(germinal vesicle)第一減数分裂前期…LHサージにより成熟が再開する
MⅠ卵(MetaphaseⅠ)第一減数分裂中期(未成熟卵)…場合により受精可能
MⅡ卵(MetaphaseⅡ)第二減数分裂中期(成熟卵)…受精可能

受精の確認はPB(Polar Body):極体

受精前のMⅡ期卵は第一極体が放出されている状態

第二極体が出ていない場合は・・・R-ICSI

R-ICSIの受精率は普通のICSIと変わらない。 しかし、insemi後に施行する関係上、時間が遅くなるので発育が少し遅れる可能性がる。

Day1受精確認

PN(前核)チェック(prenuclear)

Day2・3初期発生

  • Veeck分類によるグレーディングが可能になる。
  • Day2では3~4分割胚が良好な発育速度。Day3では6~8分割胚が良好な発育速度。

Veeck分類は形態的評価(細胞の均等性とフラグメンテーションの割合)によってグレーディングします。初期胚での評価しかできません。

Grade1…細胞の形態が均等でフラグメンテーションを認めない胚
Grade2…細胞の形態が均等でわずかにフラグメンテーションを認める胚
Grade3…細胞の形態が不均等な胚。または少量のフラグメンテーションを認める胚
Grade4…細胞の形態が均等or不均等でかなりのフラグメンテーションを認める胚
Grade5…細胞をほとんど認めずフラグメンテーションが著しい胚

フラグメンテーションとは…

一部の細胞が不規則に分裂して生じるのですが、発生原因はまだはっきりとはわかっていません。 一般的に胚の中のこれの占める割合が高いと着床率・胎児への発生能力が低いとされています。 何年か前まではGradeは不変的なものでありGradeの悪い初期胚から良好な胚盤胞は出来ないと考えられてきましたが、 現在は、フラグメンテーションは再吸収され時間によりGradeは常に変わるというのが真実です。

Day4桑実胚

8~16分割ぐらいになるとそれぞれ独立した割球が密着結合とGap結合により一つの大きな塊(個体)になろうとする時期。 桑実胚後期はコンパクションといい、コンパクションの起こる時期は受精からの時間によって起こるので4細胞期でも起こりうる。細胞の内側と外側という概念が生まれる。

Day5胚盤胞(blastocyst)

  • Gardner分類による胚評価が可能。
  • 胚の最終的な判断ができるため、おおよその妊娠の期待度がわかる。
    Gardner分類は胚盤胞腔・内細胞塊:ICM(inner cell mass)・栄養外胚葉TE(trophectoderm)の3項目で評価する

胚盤胞腔の広がり具合

1:初期胚盤胞(early)胚盤胞腔が全体の1/2以下
2:胚盤胞 胚盤胞腔が全体の1/2以上
3:完全胚盤胞(full)全体に広がったFull状態
4:拡張胚盤胞(expanded)胚盤胞腔容積がさらに拡張し、透明帯が薄くなりつつある
5:孵化中胚盤胞(hatching)TEが透明帯の外に脱出し始めている
6:孵化後胚盤胞(hatched)胚が完全に透明帯から脱出したもの

内細胞塊(ICM)

A:細胞同士が密に接し、細胞数が多い
B:細胞同士の密着が粗で、細胞数が少ない
C:細胞数が非常に少ない

栄養外胚葉(TE)

A:細胞数が多く互いに接着した上皮を形成している
B:細胞数が少なく、結合が粗な上皮を形成している
C:数が少ない、大きな細胞が上皮を形成している