よくあるご質問

検査・治療

排卵誘発の薬や注射を使うことで卵巣へのダメージや将来妊娠しにくくなるということはないの?

薬や注射によってダメージが出るということはありません。

不妊治療に使用する薬は、悪性細胞を攻撃するような治療薬(例:抗がん剤など)ではなく、ホルモン(エストロゲン)分泌を高めるためにその不足分を「誘発する」のか「直接補う」のかという違い程度なので、そもそも卵巣機能に対する副作用はありません。
また、一般的に「誘発する」と聞くと何か卵巣を強引に働かせるというイメージを持つ方がいらっしゃいますがそれも違います。「誘発する」というのは、卵の成長を高める(エストロゲンの分泌を高める)ために必要となるFSH分泌を促進するということです。その方法として服用薬や注射があり、それに対する副作用として、5%以下の方に頭痛が認められるなどの副作用はありますが、卵巣機能を低下させる副作用はありません。基本的に薬の反応は卵巣機能次第だからです。そのため排卵誘発をしても卵が育たないという方(卵巣機能が低下している方)もいらっしゃいます。
インターネットや噂話として「排卵誘発をしたために卵巣機能が低下した」などという情報があるかもしれませんが、その場合の原因として以下の3ケースが考えられます。

CASE1昔の情報であり、それが現在まで通説のようになってしまった

昔は体外受精の技術が低かったため、たくさんの卵を採取しないと最終的に妊娠まで結びつかないと考えられており、必要以上の多量の排卵誘発剤を使用していた歴史があります。また、培養技術も低いために着床率も低かったことから体外受精の不成功数も多く、大量の排卵誘発剤を数年間投与した結果として卵巣機能が実年齢より低下してしまった事例があったことは事実です。現在は、技術の進歩とともに受精率、着床率も伸びたため、むしろ刺激は少なめであり、当院では低刺激から中刺激を中心として排卵誘発しておりますので心配いりません。

CASE2排卵誘発剤の使用期間が長期化したため

どのような薬も長期間の使用は望ましくありません。排卵誘発剤においても数年間に渡って連続使用することで、卵巣がその誘発量に慣れてしまうことや、その誘発量なしでは機能しにくくなる場合が考えられます。そのために、お休みの周期を加えたり、カウフマン療法で卵巣を脳の命令下から解放し休ませてあげたり、排卵誘発の種類、量、投与のタイミングは毎回見直しています。また、治療が長期化しないために、より妊娠の確率の高い年齢の若いうちに、妊娠率の高い体外受精を実施することで無理・無駄のない治療を勧めていくことも大切な選択です。

CASE3もともとの卵巣機能が低下していた

もともと卵巣機能が低下している場合は、排卵誘発剤の後、ホルモンのアンバランスを起こしやすい傾向があります。通常は1〜2周期でもとに戻りますが機能低下が著しいとアンバランスなままでいずれ閉経へ向かいます。

不妊治療に使用する薬は主に以下の4種類に大別されます。
使用において注意が必要なのが④の製剤の中で、GnRHアゴニストロング法に使用する「スプレキュア」と「ナサニール」の使用です。 これは下垂体機能を抑制するため、ご年齢が高い方の場合は影響が出やすく、ホルモンバランスの回復まで2~5周期を必要とする場合があるため、 当院ではこの方法は第一選択には入れていません。

目的 服用薬 注射薬 貼り薬・点鼻薬 副作用
排卵誘発が目的 クロミフェン、セキソビット、アリミデックスなど フォリスチム、ゴナピュール、フェリングなど   頭痛、発疹、視神経症5%以下、OHSS、アレルギー反応
黄体補充が目的 ルトラールなど hCGなど   発疹、食欲不振、頭痛5%程度
ホルモンそのものを直接補充することが目的 エストリール、ソフィア、プラノバールなど EPホルモンデポー、ルテウムなど 【貼り薬】エストラーナテープ【坐薬】プロゲステロン坐薬 胃腸障害、下痢、不正出血、乳房痛5%程度
脳下垂体から分泌するホルモン調整が目的   セトロタイド、ガニレスト 【点鼻薬】スプレキュア、ナサニール 低エストロゲン症状、頭痛、肝機能障害3%程度
目的 服用薬 症状・現象 当院発生率
麻酔 プロポフォール、ソセゴン 麻酔後遺症(頭痛・嘔吐) 1/20人〜1/50人
麻酔ショック(嘔気・血圧低下) なし
点滴もれ なし
疼痛 1/15人〜1/40人

体外受精の採卵で卵を複数採取することで残りの卵が減ってしまい閉経が早まったりしないの?

体外受精の採卵で卵を何個採取しても残りの卵が減るということはありません。 それはもともと消えてなくなる予定だった閉鎖卵を有効活用しているからです。

女性は生まれながらに卵巣内に卵を約200万個持っています。 この卵は「排卵準備を開始してね」という月に1回のお知らせが自分に回って来るまでずっと卵巣の中で眠って待っています。

ある月、「排卵準備を開始してね」というお知らせがきます。それは1つの卵に来るのではなく、 平均1000個~2000個の卵にお知らせがきて一斉に準備を開始します。

さて、準備開始から実際の排卵までどのくらいの期間がかかると思いますか? これは研究者によって150日~500日まで見解が分かれますが、ここでは分かりやすく365日(1年)としましょう。 1年かけて1000個から2000個の卵が排卵準備を進める中でどんどん脱落卵が出てきます。 1カ月後、2カ月後とどんどん減っていき、6カ月後には3個~20個になると言われています。 そして、最終的に排卵できるのは自然周期では1つ(まれに2つ)だけです。このように排卵までたどりつかない脱落卵を「閉鎖卵」と呼び、 女性の産まれ持った卵のほとんどはこのように最終的に排卵までたどりつくことなく、途中で消えてなくなります。

しかし、自然周期で最後までたどり着いた卵が「一番良い卵」とは限りません。これは一番反応が良かった卵というだけです。 ということは、一番良い卵は消えてった「閉鎖卵」の中にあったということになります。
そこで、体外受精では、「排卵できる卵」と「閉鎖する卵」の運命の分かれ目の時期である月経2日~4日目に排卵できる卵になれるために必要なFSHという ホルモンを加える(これが排卵誘発)ことで、本来なら「閉鎖卵」となっていた卵を排卵まで導くことができます。これをリクルートと呼びます。
より多くの卵を排卵まで導くことで、その中に一番良い卵が含まれている確率が上がり、当然妊娠まで結びつく卵が増えるのです。
結論として、体外受精の採卵でとれる卵はもともと排卵の準備をすすめてきた卵で、もし採卵しなかったとしても閉鎖卵になるだけだったということです。
では、月経2日~4日目の排卵できる卵と閉鎖する卵の運命の分かれ目の時期にたくさんのFSHを加えれば加えるほど(排卵誘発すればするほど) たくさんの卵が取れるか?というと、答えはNOです。
最初1000個~2000個が排卵の準備を開始しますが、1年かかる成長の中で、約11カ月経過した頃には、残っている卵はその方の年齢により異なり、 31歳未満なら15個~18個前後、35歳未満なら10個前後、39歳未満なら5個前後、42歳未満なら3個前後まで減っています。 この残っている卵をアントラルフォリクルといいいます。体外受精の排卵誘発はこの時期の卵(アントラルフォリクル)に FSHを与えて閉鎖卵にさせず排卵まで促すものなので、このアントラルフォリクルの卵数以上を採取することは出来ません。 よって年齢が上がると採取できる卵の数が減るのは仕方がないことでこれは治療によって変えることはできないのです。

体外受精って痛くないですか?

注射が痛いです。

体外受精一連の流れの中で痛みを伴う処置があるのは、排卵誘発の注射(1~5回と個人差あり)、 排卵を促すための注射(1回)、黄体補充の注射(1~5回と個人差あり)です。これらは筋肉注射のため注射している数秒間は強い痛みがあります。 インフルエンザの筋肉注射と同じような痛みとお考えください。注射後も1~3時間注射部位に痛みを感じ続ける方もいらっしゃいます。 体外受精の中で注射の次に痛みを伴うのが採卵手術です。しかし、これは静脈麻酔を選択していただければ眠っている間に終わらせることができます。

体外受精をするにあたって副作用はないの?

以前は懸念すべき副作用として卵巣過剰刺激症候群(OHSS)がありましたが、現在はアンタゴニスト製剤などの使用により2012 年以降当院での重症症例はありません。

卵巣過剰刺激症候群とは、排卵誘発剤を使用することにより卵巣が過剰に反応する状態です。経口薬だけの使用でも起こりえます。卵巣が腫れ、血管から水分が逃げ出し、腹水や胸水などが体の中に溜まります。一般的には35歳以上の発生率は非常に少なく、35歳未満、痩せ型体系、PCOの場合は卵巣過剰刺激症候群になるリスクが上がります。2012年以降はアンタゴニスト製剤を使用することでいずれも通院治療で完治しており入院を伴う治療はありません。(2012年軽度OHSS発生頻度:35歳未満で1%未満、35歳以上で0.4%未満)

【重要】採卵による卵巣出血があります。

採卵時は超音波画像を見ながら膣から採卵針を入れ卵胞に針を刺し卵子を吸引します。その際に超音波画像に映る血管は避けることが出来ますが細い静脈は映らないため細い静脈に針を刺してしまう場合があります。動脈性の出血は直ちに処置しますが、静脈の場合は発見が遅れる場合があります。軽度な経過観察で終わる場合と、入院し開腹手術が必要な場合があります。これは残念ながら100%防ぐことは出来ません。(2012年卵巣出血発生頻度:軽度2%、重度0.15%)

一卵性の双子になる可能性があります。

移植胚が1個の場合でもハッチングの途中で内細胞塊が2つに分離するなどの理由により一卵性の双子になる可能性があります。(自然妊娠や人工授精の場合も同様に一卵性双子になる場合があります)

子宮外妊娠の可能性があります。

移植胚は子宮内に移植しますが、まれに異所性(子宮外)妊娠が起こることが報告されています。頻度など不明です。(自然妊娠や人工授精の場合も同様に子宮外妊娠の可能性があります)

みんな何回目くらいで妊娠するの?

妊娠までの胚移植回数は、女性の年齢に応じて大きく異なります。

35歳未満の方の場合は胚移植2~3回目までで約85%の方が妊娠しご卒業されます。35歳以上になると、 卵子の染色体異常が進むため複数回のチャレンジを必要とすることが多いです。
詳しくは、皆様にお配りしている「はらメディカルクリニック妊娠実績報告」をご参照ください。
*紛失された方は受付にて再配布致します。

ストレスは良くないですよね?

ストレスとの付き合い方について考えてみましょう。

確かにストレスが良いということはありません。しかし、ストレスって本当にそんなに悪いものでしょうか。 そこには、ストレスと不妊に関する「神話」があるように思います。「ストレスは妊娠によくない」「リラックスすれば妊娠するよ」 「治療をやめたとたんに妊娠したんだって」というように・・・。 皆様がストレスにこだわってしまうのは、この不妊治療は、原因不明という不確定要素が多いため、原因不明=ストレスが原因なのでは? という思いに進みがちな点があります。また、本来責任感が強く、ガンバリ屋さんな女性はこの不妊治療という受け身だけの治療の中でも、 何か努力できることはないかと考え、ストレスの対処自体も努力の範囲内と考えるようです。
しかし、「ストレスをなくなさなければならない」という考えは非合理的であり、リラリラックスするために一生懸命努力するというのは矛盾していますね。
ストレスという考え方には、おかしな話ですが流行りがあります。 心因性不妊という考え方が流行していた頃は原因不明=心因性不妊とされていた頃もありますが、 現在は医学の発展で精子・卵子レベルまで不妊原因が特定できるようになり、それに伴いストレスと不妊の関係性も薄れてきました。 皆様に理解し、安心していただきたいのは、ストレスが多いからといって妊娠しないということは医学的にありません。
むしろ、ストレスはあるものだということを前提にそのストレスに対処する方法を出来るだけ多く持っていることはとても有効的です。
もし、ストレスの対処方法を持っていないな~と思う方がいるとして、今強いストレスを感じているとしたら、心理カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。 当院には不妊治療を専門とした、学会認定の臨床心理カウンセラーがいます。カウンセリングはストレスをなくすものではなく、 あなたがストレスにうまく対処していけるように援助してくれます。

「ASRM患者情報パンフレットのストレスと不妊」より*一部修正

ストレスはあなたが怖さや傷つきを感じるどんなものからでも生まれてきます。 単一の出来事(あるいはそれについて心配すること)でもストレスは生まれます。小さなことを一日中心配することもそうです。

「ストレスは私の不妊を引き起こしているのでしょうか?」

おそらく違います。不妊はとてもストレスフルなものですが、ストレスが不妊を引き起こすという根拠は全くありません。 女性の中には強すぎるストレスによりホルモンレベルが上昇し、それによって排卵の時期が遅れたり、 あるいは排卵が全く起こらなくなってしまう人もいますが、卵子へ影響が及ぶということは考えにくいです。

「不妊はストレスを引き起こすの?」

おそらくそうです。不妊治療を受けている女性は、がんや心疾患を抱える女性と同程度の高いストレスにさらされます。 不妊カップルは毎月ストレスを感じます。最初の時期は妊娠する希望を持ち、もし妊娠しなければカップルは失望を扱わなければならないからです。

「どうして不妊はストレスになるのでしょうか?」

ほとんどのカップルは自分たちの人生の計画を立てています。自分たちが頑張ればそれを成し遂げられると信じているでしょう。 そのため妊娠するのが難しいときには、彼らは自分たちの身体あるいは親になるという自分達の目標をコントロールすることができないように感じてしまうのです。 不妊に関しては、どんなに自分達が頑張っても子どもを持てるかどうかはわからないのですから。 不妊の検査や治療は、身体的、情緒的、経済的ストレスになります。不妊カップルの距離を遠ざけそれによりさらにストレスは強くなります。 カップルは不妊治療のために何度も通院しなければならず、仕事を続けられなくなったりその他の活動を制限されたりします。

「ストレスを減らすために何ができるのでしょうか」

  • パートナーと話し合いましょう。
  • あなたは1人ではないことを知りましょう。個人カウンセリング、カップルカウンセリング、 あるいはサポートグループなどを利用して他の不妊を経験する人と話しましょう。
  • 不妊についての書籍を読みましょう。そうすればあなたが感じていることが普通のことであることがわかり、またそれに対処する助けになるでしょう。
  • 瞑想、ヨガ、鍼などのストレスを減らす方法を習いましょう。
  • 体や感情の緊張を解き放つために定期的に運動しましょう。
  • あなたとパートナーが心地よく感じられるような治療計画を立てましょう。
  • 可能な治療の選択枠について、出来るだけ知りましょう。
  • 治療に関わるお金の計画を立て、保険や利用できる助成金制度について調べましょう。

カウンセリングルームへのお誘い

ストレスが卵に悪影響を及ぼすことはないとわかっているけれども、不妊治療によって生まれるストレスに振り回されてしまうこともあります。 “私たちは理想としている自分”と”現実の自分”の差を埋めようと毎日生活しています。しかしその差をうまく埋めることができないと、ストレスを感じてしまいます。 不妊治療もまさにこのような状態の1つです。先の見えない不安に押しつぶされそうになったり、自分の努力だけではどうにもならないことにイライラしたり…。 そんな時、ぜひカウンセリングルームにおいで下さい。治療と上手に付き合っていただけるよう心理的にサポートいたします。どうぞお気軽にご予約下さい。お待ちしています。

何か気をつけることや自分で努力できることはありますか?

妊娠までの胚移植回数は、女性の年齢に応じて大きく異なります。

不妊治療はご自身の努力で改善出来るものと出来ないものがあります。 自己のコントロール外のものもあることを理解し、頑張り過ぎないでください。

日常生活では、タバコ、睡眠薬や精神安定剤の常用は避けましょう。適量のアルコールはストレス追放のためにも問題ありません。

この相談って、誰に、いつすればいいの?

当院はチーム医療を行っており、それぞれの担当で相談予約をお取り下さい。

詳しくは当院のお悩み相談のページをご参照下さい。

医師には何でもご相談下さい

診察時に直接質問しにくい場合はご質問内容をメールで事前預かりすることも出来ます。

お問い合せは「お悩み相談」から